差分プライバシー(Differential privacy)は、データ分析で用いられる比較的成熟したプライバシー強化技術(privacy-enhancing technologies: PETs)の一つであるが、標準が存在しないため、効果的に導入することが困難で、ユーザーにとって障害となる可能性がある。こうした中、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、人工知能(AI)に関する大統領令の下で命じられたタスクの一つ、「差分プライバシーなどのPETに関する研究を進展させる」を遂行するため、「差分プライバシーの保証の評価に関するガイドライン草案(Draft NIST Special Publication (SP) 800-226, Guidelines for Evaluating Differential Privacy Guarantees)」を発表した。このガイダンスは主として連邦機関を対象としたものであるが、誰でも使用が可能である。ソフトウェア開発業者や企業経営者、政策策定者など様々な人々が差分プライバシーに関する主張について、より一貫した理解と思考を得られるよう支援するものである。ガイドライン草案の編集に携わったNIST高官は、「差分プライバシーを使うことで、データセット内の個人が特定できないような形で、データ分析やトレンドを発表することができるが、差分プライバシー技術は依然として成熟中であり、認識すべきリスクがある。我々は、このガイダンス発表を通じて組織が異なる差分プライバシー製品を評価し、その作成者の主張が正確であるか否かについてより良い見識を得られるようにしたい」と述べる。NISTはガイダンス草案へのパブコメを45日間受け付ける。