Category:その他
トランプ大統領、エネルギー省による原子炉試験を合理化する大統領令に署名
トランプ大統領は5月23日、エネルギー省(Department of Energy)における原子炉試験に関して国立研究所のプロセスを改革及び合理化するための大統領令(Executive Order)に署名した。本令は、エネルギー省の十分な管理下にある先進原子炉の設計・建設・運転は、当面は研究目的とみなされることから、エネルギー省の管轄下にあると認定した上で、エネルギー長官に次のことを命じている。①何が「適格の試験炉」に該当するのかについてガイダンスを作成し、これらの原子炉の申請を迅速に処理する策を講じること、②エネルギー省の管轄下で先進原子炉の審査、承認、導入を大幅に迅速化するため、規制やガイダンス、手順を改定し、申請完了から2年以内に運用可能な試験原子炉を実現できるようにすること、③国立研究所外に少なくとも3基の原子炉を建設・運転するパイロットプログラムを創設し、2026年7月4日の臨界達成を目指すこと(それはエネルギー省との契約の下、同省の責任によって実施されること)、④原子炉試験に関する承認、許認可、その他の活動について内部の環境審査を排除または迅速化すること。 White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Streamlines Nuclear Reactor Testing at the Department of Energy” (05/23/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/05/fact-sheet-president-donald-j-trump-streamlines-nuclear-reactor-testing-at-the-department-of-energy/
トランプ大統領、原子力規制委員会の改革を指示
トランプ大統領は5月23日、国内の原子力産業を支援し、規制の障害を低減し、外国技術への依存を削減することを目的として、原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission: NRC) の改革を指示する大統領令(Executive Order)に署名した。本令は、NRCに対して、原子力エネルギーが米国経済及び国家安全保障にもたらす安全面の懸念と恩恵のバランスを図ることに焦点を当てながら、規制やガイダンス文書を包括的に改訂する規則策定を18カ月以内に完了することを命じている。大統領はまた、NRCの文化を改革し、原子炉の安全性を確実にしつつ原子力発電を迅速に推進するという議会の指示を反映させる形で組織を調整することを命じた。 White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Directs Reform of the Nuclear Regulatory Commission” (05/23/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/05/fact-sheet-president-donald-j-trump-directs-reform-of-the-nuclear-regulatory-commission/
米国民は企業がAIに時間をかけて正しく取り組むことを望む
企業経営者や投資家、技術企業は、生き残りをかけた「人工知能(AI)競争」を進めているが、アクシオス(Axios)とハリス社(Harris)の共同世論調査の結果によれば、米国民の4分の3以上(77%)が、企業に対して、「(例え画期的躍進が遅れることになるとしても)人工知能(AI)の開発には時間をかけて取り組み、最初から正しく取り組んでほしい」と望んでいることが明らかになった。こうしたファインディングは、世代を超えて共通しており、ベビーブーマーの91%、X世代の77%、最も若い世代のZ世代の74%が、「時間をかけてAIに取り組むこと」を望んでいる(ミレニアル世代は63%)。 AXIOS “Americans to business: Take AI slow and do it right” (05/27/25) https://www.axios.com/2025/05/27/ai-harris-100-poll-move-slow
エネルギー省、ミシガン州石炭火力発電所閉鎖に緊急延期命令
ユーティリティー・ダイブ(UTILITY DIVE)は5月27日、エネルギー省(Department of Energy)がコンシューマーズ・エナジー社(Consumers Energy)に対し、ミシガン州にある1,560メガワット(MW)のJHキャンベル石炭火力発電所(J.H. Campbell power plant)の閉鎖を8月21日まで3カ月間延期するよう命じたと発表した。今年の夏に中西部地域における停電の可能性が指摘されており、同省は北米電力信頼度協議会(North American Electric Reliability Corp: NERC)の報告書を引用し、中西部独立系統運用機関(Midcontinent Independent System Operator: MISO)に対し、同発電所を経済的に稼働させつつ、消費者の料金支払い負担を最小限に抑えるよう指示した。同社も命令に従う意向を示しており、コスト回収方法を模索中である。一方で専門家は発電所所有者などからの要請がない中で発令されたことを指摘しており、消費者擁護団体のパブリック・シチズン(Public Citizen)は緊急権限の濫用として法的措置を検討しているという。 UTILITY DIVE ” DOE orders 1.6-GW coal-fired power plant to delay shutdown over MISO outage concerns” (05/22/25) https://www.utilitydive.com/news/doe-coal-fired-power-plant-consumers-energy-miso-emergency/748972/
ITIF、iPhoneへの関税計画に反対を表明
科学技術政策の非営利シンクタンクである情報技術イノベーション財団(ITIF)は5月22日、トランプ大統領が発表したアップル社(Apple)のスマートフォン、アイフォーン(iPhone)に対する関税計画に対し反対する声明を発表した。ITIFの貿易・知的財産・デジタル管理担当副ディレクターのロドリゴ・バルボンティン氏(Rodrigo Balbontin)は、今回の計画について、世界の技術・経済リーダーとしての地位確立に他の国々の協力は必要ないという誤った論理に基づいていると指摘した。また米国の主要テクノロジー企業は国際市場でのプレゼンスによって繁栄し、収益の大部分は海外市場から得られている現状にも触れた。さらにこの計画がコスト上昇を招き、投資家に対する信頼性を損ない、米国の技術革新に影響するとし、一貫した産業戦略の必要性と、NISTが管轄する製造拡大パートナーシップ(Manufacturing Extension Partnership: MEP)プログラムの強化、及び、国家競争力評議会(National Competitiveness Council)の設立を通じて長期的なコミット面を示すべきと提言している。 ITIF “Discretionary Tariffs on Apple iPhones Won’t Reshore Manufacturing—They’ll Raise Costs and Erode Trust, Says ITIF” (05/22/25) https://itif.org/publications/2025/05/22/discretionary-tariffs-on-apple-iphones-wont-reshore-manufacturing/
宇宙の安全保障構想による備えを 国防総省
国防総省(Department of Defense)は5月23日、宇宙技術商業化に向けた国家安全保障に関する将来構想について概説した。宇宙戦略を担う宇宙司令部(Space Command)司令官で宇宙軍(Space Force)のスティーブン・ホワイティング将軍(Steven Whiting)は、宇宙の脅威増大に備えた宇宙産業拡大が国家防衛の要とし、過去15年に亘り商業用再使用ロケットや大型衛星群など国内産業が革新の原動力となってきたと説明した。一方でウクライナ紛争での商業衛星システム活用は、宇宙インフラが限られる国による高度宇宙技術の戦場利用を可能にする一方、サイバー攻撃や衛星攻撃兵器(Anti-satellite weapon)に加え共軌道システムによる敵対勢力の攻撃能力が深刻な脅威と指摘した。特にロシアの核兵器宇宙配備について「極めて無責任」と非難し、中国やロシアの宇宙兵器実験にも警戒しており、ミサイル防衛構想「ゴールデンドーム(Golden Dome)」を含む同盟国との協力を通じ抑止力を高め、宇宙紛争の回避と備えに注力するという。 Department of Defense “Spacecom Leader Outlines Vision for Space Security” (05/23/25) https://www.defense.gov/News/News-Stories/Article/Article/4196957/spacecom-leader-outlines-vision-for-space-security/
トランプ政権、ゴールド・スタンダード科学復活を宣言
大統領府は5月23日、トランプ大統領が科学のゴールド・スタンダード(Gold Standard Science)を連邦政府の科学研究の基盤とし、科学に対する国民の信頼回復を再構築する大統領令に署名したと発表した。ゴールド・スタンダード科学は再現性、透明性、反証可能性を重視し、公正な査読や誤差の明示、仮定に対する懐疑論的解決、協調的かつ学際的なアプローチを推進する原則で、政府は科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy)に対し関連機関と連携して30日以内に原則の導入指針を示し、60日以内に進捗報告を行うよう命じた。トランプ政権はバイデン前政権のコロナ下での教育環境や漁業、気候変動などに関する政策を例に挙げた上で、今後は人工知能(AI)や量子情報科学、原子力、バイオテクノロジーの先端技術分野を重視し、科学の政治利用を排除し、科学的不確実性を率直に示すことを各政府機関に義務付け、科学的知見の客観的評価と正確な情報伝達を推進するという。 The White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump is Restoring Gold Standard Science in America” (05/23/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/05/fact-sheet-president-donald-j-trump-deploys-advanced-nuclear-reactor-technologies-for-national-security/
トランプ大統領、原子力推進に向けた大統領令を発表
大統領府は5月23日、トランプ大統領がエネルギーの自立と国家安全保障に向けた原子力エネルギー生産と運用の促進を加速する大統領令に署名したと発表した。使用済み核燃料の管理や商業的リサイクルなどに関する政策策定と評価に関する報告をエネルギー省(Department of Energy)を中心に国防総省(Department of Defense)などの関連省庁と連携するよう促す内容で、特にウラン精製能力の強化や余剰プルトニウムの先進炉燃料への転用に向けた計画を策定し、国内原子力産業の連携を強化させる。具体的には既存発電所の5ギガワット(GW)出力向上や2030年までに大型原子炉建設の10基新設に加え、先端技術の早期実用化を財政支援し、登録制技能育成制度や職業・教育プログラムを通じて原子力関連人材の育成にも注力する方針である。政府は、国内核燃料供給網の拡充と採掘から精製までの一貫体制構築を加速し、原子力エネルギーの長期的拡大に向け、核燃料の価値の最大化に取り組んでいくという。 The White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Reinvigorates the Nuclear Industrial Base” (05/23/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/05/fact-sheet-president-donald-j-trump-reinvigorates-the-nuclear-industrial-base/
サイバー防衛の予算削減、中国によるハッキング対策の脆弱化も
国家安全保障会議(National Security Council:NSC)のサイバー担当上級部長であるアレクセイ・ブラゼル氏(Alexei Bulazel)は5月初旬、RSA会議での講演で、米国の重要インフラに対して中国が積極的なハッキング能力を事前に構築していることに反撃したいと述べ、攻撃的作戦に関する否定的な見方を拭い去ると共に、初めてその使用を米国の戦略の公然たる一部として発言した。同氏は、こうした措置は、状況を変える最速の方法であり、米国を標的とした外国のサイバー攻撃の増加の抑制につながることを期待すると述べた。しかし同会議に出席した数多くの専門家が、サイバー・インフラ安全保障庁(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency: CISA)における最近の人員削減や、共和党による予算調整法案での更なる削減に懸念を示している。現在の米国は十分な防衛体制が整っていないというのが総意であり、複数の安全保障企業によると、今年第1四半期に検知された中国によるハッキングの試みは、前年の2倍以上であるという。 Washington Post “Cyberdefense cuts could sap U.S. response to China hacks, insiders say” (05/23/25) https://www.washingtonpost.com/national-security/2025/05/23/cisa-cyberattacks-china-doge-cuts/
海軍、データ処理、資源の配布の強化にAIツールの活用を模索
海軍は、国防イノベーションユニット(Defense Innovation Unit: DIU)と共に、受信した膨大なデータを処理し、司令官が活用できるよう、人工知能(AI)及び機械学習を利用することに取り組んでいる。具体的に、DIUが5月22日付け通知の中で、「諜報学習システムによる状況認識(Situational Awareness by Intelligent Learning Systems: SAILS)」に関する商業ソリューションのアイデアを募集した。これは、宇宙や海上、航空、諜報報告などの手段を通じて収集された情報を海軍の海洋作戦センター(Marine Operations Centers)で処理する際の時間を迅速化させるため、AI及び機械学習の応用を模索するものである。海洋作戦センターは、海洋システムの後方支援ハブとして機能し、工学から維持管理まで様々な側面で支援を提供する。新たなAIツールはオペレーターにより良い洞察をもたらし、司令官が資源を世界中の海軍システムに最善の形で配分する上で助けとなる可能性がある。 Defense News “Navy wants AI tools to boost data processing, resource distribution” (05/23/25) https://www.defensenews.com/naval/2025/05/23/navy-wants-ai-tools-to-boost-data-processing-resource-distribution/