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その他

1950年代以降の連邦研究開発資金、開発中心から研究中心に移行

米国科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)は6月18日、1950年代から現在までの連邦政府の研究開発関連支出の推移について調査した報告書を発表した。支出には、製品発注・契約締結・サービス購入などが含まれる。「研究(基礎・応用)」「開発」「研究開発施設」という3つのカテゴリー別で推移を調査した結果、1956年度~2024年度の支出額は、「研究」が61億ドルから787億ドルに増加、「開発」が152億ドルから774億ドルに増加、「研究開発施設」が20億ドルから42億ドルに増加していることが判明した。また、各カテゴリーが支出全体に占める割合は、同期間中に「研究」が26%49%に増加した一方、「開発」は65%から48%に減少し、「研究開発施設」も9%から3%に減少した。なお、本報告書の全データはから閲覧可能である。 National Center for Science and Engineering Statistics “Since the 1950s, Federal R&D Funding Has Shifted from Development to Research” (06/18/25) https://ncses.nsf.gov/pubs/nsf25344   

ボストン裁判所、NIHにDEI助成金停止の差止判決

サイエンス誌(Science)は6月16日、ボストン連邦地方裁判所のウィリアム・ヤング判事(William Young)が、トランプ政権下で今年初めに打ち切りとなった約800件の助成について即時復活するよう国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)に命じたと報じた。判事は、特に人種間の健康格差やトランスジェンダーの健康に関する研究が政治的な理由で終了されたことは恣意的かつ不合理である上、法的に有効な手続きもなかったと指摘した。裁判所での2時間に亘る審理で、特定の助成が違法な差別を支援したという証拠が不足しており、NIHの決定に関する根拠がほとんどないと結論付けた。また、裁判所が今後、被害者による差別の証拠を検討することを表明し、政府による差別が見られた場合には明確に禁止する意向を示した。今後、この判決がどれだけの範囲に適用されるのか、また助成金申請の再募集が行われるかについても判断が行われる予定である。 Science “Judge orders NIH to restore hundreds of grants cut under Trump” (06/16/25) https://www.science.org/content/article/judge-orders-nih-restore-hundreds-grants-cut-under-trump

米中ハイテク覇権、グローバル・サウスが鍵に

アトランティック・カウンシル(Atlantic Council)は4月16日、米中間の技術覇権競争において新興国・途上国(グローバル・サウス)市場の重要性が高まっているとまとめた報告書を発表した。中国は過去20年間に情報通信技術(ICT)分野で途上国への投資を積極的に行い、ファーウェイ社(Huawei)やZTE社などの企業が東南アジアやアフリカ、ラテンアメリカなどのグローバル・サウス地域で強い影響力を持つに至ったという。またAI(人工知能)分野でも最小限の計算能力しか必要としない軽量モデル、低コストで効率的なソリューションやオープンソースモデル(無料)を公開し、新興国市場での存在感を高めていることから、米国は優位性維持に向け、途上国のニーズに合わせた技術開発や、日本やオーストラリアに加え、EUなどの同盟国との連携強化が必要としている。また報告書は、今後の技術覇権競争において、地政学的、経済的、規範的な3つの側面で途上国市場の重要性が一層増すと指摘している。 Atlantic Council “Navigating the US-PRC tech competition in the Global South” (04/16/25) Navigating the US-PRC tech competition in the Global South

中国の諜報機関、AIに多額の投資 

ニューヨーク・タイムズ紙(The New York Times)は6月17日、中国が人工知能(AI)を活用して諜報活動を強化していると報じた。レコーデッド・フューチャー社(Recorded Future)のインシクト・グループ(Insikt Group)の報告によると、中国の情報機関はAIを用いて情報分析の効率化や作戦計画の策定に取り組んでいるという。具体的には特許申請や契約を通じたAI活用で、特にディープシーク社(DeepSeek)などの国産モデルを採用していると分析している。中国政府は外国モデルの使用により資本主義的価値観が入り込む可能性を懸念しており、中国の情報製品は共産党のイデオロギーに影響されている傾向があるとも伝えた。一方でオープンAI社(OpenAI)は6月、同社のAIツールを悪意のある方法で使用しようとしたケースを防御したと報告、中国による不正利用に対抗する措置を講じた。 The New York Times “China’s Spy Agencies Are Investing Heavily in A.I., Researchers Say” (06/17/25) https://www.nytimes.com/2025/06/17/us/politics/chinas-ai-spy-agencies.html

メタ、ニューメキシコ州データセンター向け地熱発電契約を締結

ユーティリティー・ダイブ(UTILITY DIVE)は6月17日、メタ社(Meta)と地熱エネルギーのXGSエナジー社(XGS Energy)がニューメキシコ州で150メガワット(MW)の次世代地熱発電を開発する契約を締結したと発表した。2024年8月に発表されたメタ社によるセージ・ジオシステムズ社(Sage Geosystems)との初の地熱契約に続く取り組みで、同社は天候に左右されないカーボンフリーの電力を獲得することで、人工知能(AI)の発展やデータセンター拡大を支える方法を模索しつつ、新たなエネルギーの供給開拓につなげる。操業時に水を一切使用しない独自の地熱発電技術を開発するXGSエナジー社が計画する新地熱発電所は、2期に分けて建設され、2030年までに完成・稼働開始を予定しており、同州の地熱生産を10倍に引き上げるとしている。この計画により、州には10億ドルの投資がもたらされ、多くの雇用が創出される見込みである。 UTILITY DIVE “Meta signs geothermal power deal for New Mexico data centers” (06/17/25) https://www.utilitydive.com/news/meta-xgs-energy-announce-geothermal-deal-new-mexico-data-centers-ai/750913/

グーグルとCTCグローバルが提携 先進導体導入で電力網増強へ

ユーティリティー・ダイブ(UTILITY DIVE)は6月16日、グーグル社(Google)と導体メーカーのCTCグローバル社(CTC Global)が提携し、先進導体を用いた電力網強化に向け、州や電力会社、送電開発業者と提携すると報じた。先進導体は既存の鉄塔や電柱を活用しつつ、通常の送電線より多くの電力を運ぶことができるもので、両社はこの配備に適した地域特定に向け、関連機関に情報提供要請(Request for information: RFI)を公開する。回答期限は7月14日で、採択後すぐに関連地域への提案依頼も行う予定である。具体的には国内送電網の容量向上を目的としたプロジェクトで、特にグーグル社のデータセンターが存在する地域を優先する見込みとし、送電事業者による効率的かつ費用対効果の高い解決策の検討を求めている。選定された地域は、CTCグローバル社のACCC(Aluminum Conductor Composite Core)導体の展開に関する金銭的支援や技術研究支援を受けることができる。 UTILITY DIVE “Google, CTC Global partner to deploy advanced conductors” (06/16/25) https://www.utilitydive.com/news/google-ctc-global-advanced-conductors-transmission/750878/

GAO、OSTPに6件の優先勧告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は6月10日、科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)に対する優先的な実施が必要な6件の勧告を公表した。GAOは2024年8月時点で8件あった優先勧告について見直しを行い、評価に基づき2件を優先リストから除外した。残る6件の勧告は、先進製造技術の強化、鉱物を含む重要物資へのアクセス確保、研究セキュリティリスクへの対応、およびインフラの強靭性向上の4分野における改善策に関するものである。GAOは2015年以降、政府機関に対して、多額の経費削減や重要課題に関する意思決定の改善、不適切な管理や不正行為の排除、法令遵守の確保などにつながる重要勧告の実施を求める書簡を送付しており、OSTPによるこれら勧告への継続的な取り組みが行政運営の大幅な改善につながると指摘している。 GAO “Priority Open Recommendations: Office of Science and Technology Policy” (06/10/25) https://www.gao.gov/products/gao-25-108166

DARPA、高性能VTOL無人小型機の実証試験開始

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency: DARPA)は6月17日、330ポンド未満の小型垂直離着陸型無人機(Vertical take-off and landing unmanned aerial systems: VTOL UAS)の飛行実験を今月末から開始すると発表した。このプログラムは早期垂直離着陸実証(Early VTOL Aircraft Demonstration: EVADE)と呼ばれ、シコルスキー社(Sikorsky)が開発した自律飛行アルゴリズムシステム「マトリックス(MATRIX)」を搭載し、12時間以上の航続時間と100海里の航続距離の実現に取り組む。エアロバイロメント社(AeroVironment)など5社が参画し、物流、通信中継、兵器運搬、レーダー、偵察など多様なミッションに対応可能な機体を開発しており、同局のフィリップ・スミス氏(Phillip Smith)は「小規模部隊でも運用可能な高性能無人機を実現し、戦場での航空支援能力を革新的に向上させる」とし、実用化に向け、あらゆる側面を徹底検証し、来年度予算での大規模発注に対応できる体制を整えることを目指す。 DARPA “DARPA to demonstrate revolutionary drone capabilities for warfighters” (06/17/25) https://www.darpa.mil/news/2025/evade-drone-capabilities-warfighters

DARPA、サイバー防衛強化へ空軍と連携 MQ-9に数理的手法を導入

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency: DARPA)は6月17日、空軍(Air Force)と連携し、無人攻撃機MQ-9リーパー(MQ-9 Reaper)のソフトウェア開発に数理的手法を取り入れると発表した。同局のレジリエント・ソフトウェア・システム・キャップストーン・プログラム(Resilient Software Systems Capstone program)を通じ、ソフトウェアの脆弱性を開発段階で数学的に検証する手法を導入し、総合的なサイバー防衛強化を確保する。これにより、ソフトウェア開発サイクルの上流工程での検証作業が可能となり、従来12〜18カ月を要していた開発・サイバー試験の期間短縮につなげる。また、MQ-9の俊敏性向上だけでなく、関連機関の後続プログラムにも活用する見通しである。同局は海軍(Department of the Navy)や陸軍(Department of the Army)、航空宇宙局(NASA)とも同プログラムの追加試験を進める予定という。 DARPA “Accelerating cyber resilience: Air Force, DARPA join forces to strengthen cyber defenses” (06/17/25) https://www.darpa.mil/news/2025/accelerating-cyber-resilience-air-force-darpa-join-forces-strengthen-cyber-defenses

オークリッジ国立研究所、産学連携加速に向けた新戦略を発表

オークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory)は6月17日、2030年に向けたエネルギー技術開発の新戦略を発表した。傘下のエネルギー科学技術局(Energy Science and Technology Directorate: ESTD)が主導するこの戦略は、材料科学、中性子科学、高性能コンピューティングなどの人工知能(AI)インフラが配備された研究施設を活用し、基礎科学から産業界での実用化までの過程を加速することを目指している。主に国内製造業の強化や供給網(サプライチェーン)の確保、電力網の整備とセキュリティ強化、輸送システムの電動化などを重点分野としており、ロバート・ワグナー局長(Robert Wagner)は「研究所の総合力を結集し、複雑なエネルギー課題に取り組む」とし、スタートアップから大手企業まで幅広い産業界とのパートナーシップを通じて、エネルギー分野のイノベーションを推進する方針を明らかにした。 ORNL “ESTD releases strategic vision for secure, resilient, affordable energy future” (06/17/25) https://www.ornl.gov/organization-news/estd-releases-strategic-vision-secure-resilient-affordable-energy-future