米企業は、商務省(Department of Commerce)による「事業者リスト(Entity List)」に記載されている企業へ輸出することは原則禁止されている。しかし、政府や業界の関係者によれば、記載されている企業は、事業者リストに記載されていない子会社などを通じて、引き続き米国製品を購入することが可能になっているという。そして業界の幹部は、一部の企業はこうした形で中国企業へハイテク製品を売却することを継続する意向であると語っている。こうした輸出管理法の抜け穴は、中国が米国の経済的及び地政学的敵対者として台頭していく中、技術取引が国家安全保障問題となりつつあることを象徴する。バイデン政権は先週、ティックトック社(TikTok)の中国人所有者に対して、その株式の売却を要求し、「さもなければティックトックのアプリは米国で禁止される可能性がある」とした。連邦議会の公聴会(3月23日)では、同社の最高経営責任者に対して、中国政府によるプラットフォームへの影響力やその他の国家安全保障上の懸念について、議員達が質問を浴びせた。商務省は3月6日に、中国のホールディング企業であるインスパー・グループ(Inspur Group)を事業者リストに追記したと発表した。同社には数多くの子会社があり、それらを合計すると、米企業との間で数十億ドルの取引があり、取引企業にはNvidia社やアドバンスト・マイクロ・デバイス社(Advanced Micro Devices Inc.)も含まれている。財務省(Treasury Department)による制裁は、対象となる事業体とその子会社・関連会社も含まれるが、商務省の事業者リストを管轄する法律では、リストに記載されていない企業への輸出が可能になっている。
Wall Street Journal “Loophole Allows U.S. Tech Exports to Banned Chinese Firms” (3/24/23)