GAO、連邦政府のグラント管理について報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は11月18日、「グラント管理:他国における改革努力の手法と洞察(Grants Management: Approaches and Insights from Other Countries’ Reform Efforts)」と題する報告書を発表した。連邦政府は、主としてグラントを通じて、部族、州、地方自治体、準州の政府を援助しており、これは連邦支出の約18%を占める(2023年度)。GAOは、課題への対処を目的としてグラント管理プロセスの改革に取り組んだ4か国を対象に調査を実施した。その事例として、①英国は、グラント実施における卓越性を支援するため、そして政府全体で労働力が必要な訓練と資源を受けていることを確実にするため、中央省庁を設立した、②オーストラリアは、共通のサービス・センターを設立し、グラント管理を合理化した、の2点が挙げられている。GAOはまた、グラント管理改革を促進する一助となる可能性がある慣行を7件特定している。 Government Accountability Office “Grants Management: Approaches and Insights from Other Countries’ Reform Efforts” (11/18/24)

メリッサ・ミドゾー氏、NISTの通信技術研究所所長に任命

商務省(Department of Commerce)傘下の米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、通信技術研究所(Communications Technology Laboratory: CTL)の次期所長としてメリッサ・ミドゾー氏(Melissa Midzor)を指名した。CTLは、NIST傘下の6つの研究所の一つで、中核となるネットワーク技術や次世代無線システム、公共の安全に関する通信、スマート・インフラ、スペクトル共有の研究開発を通じて通信技術を進展させることに焦点を当てている。ミドゾー氏は2018年以来、NISTの国家先端スペクトル及び通信試験ネットワーク(National Advanced Spectrum and Communications Test Network: NASCTN)のプログラム・マネジャーを務め、スペクトル共有の複雑な課題の解決やデータ主導の判断の実現に向けて、連邦機関や業界と密接に協力してきた。2021年には、NIST内のスペクトル技術及び研究部門(Spectrum Technology and research Division)のチーフとなった。 National Institute of Standards and Technology “Melissa Midzor Named Director of NIST’s Communications Technology Laboratory” (11/18/24)

グリッド・インフラ投資が過去20年間のユーティリティ機関の支出増を牽引

連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission: FERC)の報告によれば、大手ユーティリティ機関による電力の生産・提供を目的とした年間支出は、2003年の2,870億ドルから2023年の3,200億ドルと12%増加した(2023年実質ドル)。電力インフラの資本投資が増加の大きな要因で、老朽化した発電・送電インフラが、火災や嵐に耐えるよう置換または改良されたり、新たな送電線が再生可能資源と接続されるなどして、同期間に2倍以上増加した。資本支出を部門別で見ると、①生産:電力生産のための支出は2003年から2023年に24%減少した。②送電:電力送電システムの支出は2003年から2023年にほぼ3倍増加した。③配電:配電に関する資本支出は過去20年間における電力支出増の主たる要因で、2003年から2023年に160%増加した。 Energy Information Administration “Grid infrastructure investments drive increase in utility spending over last two decades” (11/18/24)

AI、医薬品開発に変革をもたらすことが可能

情報技術・イノベーション財団(Information Technology & Innovation Foundation: ITIF)は今般、「人工知能を活用してバイオ製薬業界のイノベーションを加速させる(Harnessing AI to Accelerate Innovation in the Biopharmaceutical Industry)」と題する報告書を発表した。初期に見られる証拠によれば、人工知能(AI)は医薬品開発に変革をもたらすことができ、開発に要する時間をほぼ半分に削減することができる。AIは、発見から臨床前試験、臨床試験、規制審査、製造に至るまでの開発パイプライン全体で生産性を強化できる。医薬品開発プロセスは膨大な費用と時間がかかり、発見から実現までに15~16年かかることは珍しくない。ITIFは、AIが全ての段階で効率性を押し上げてタイムラインを変え、最終的に人命を救う治療への患者のアクセス性を高めることができると報告している。ITIFによる政策の勧告には、①プライバシーを強化したデータの共有を奨励する、②基礎研究への公的資金を拡大し、医薬品開発におけるAIの役割を促進し、研究開発をより効率的にする、③リスクベースの規制基準を開発する、④労働力訓練プログラムを強化する、が含まれる。 Information Technology & Innovation Foundation “AI Can Transform Drug Development, New ITIF Report Finds” (11/18/24)

エネルギー省、クリーンで競争的な産業部門に関する初の設計書を発表

エネルギー省(Department of Energy)と大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は11月18日、連邦省庁からの意見と共に作成された「クリーンで競争的な産業部門に関する国家設計書(The National Blueprint for a Clean & Competitive Industrial Sector)」を発表した。連邦政府内で行われている継続的な産業部門への投資を基盤とした設計図で、米国製造業の継続的な成長を加速させるため、民間主導で、政府が支援する枠組みにおける5つの政府戦略を概説している。この枠組みは、米国の製造業を変革して競争力を押し上げ、汚染を削減し、米国労働者のための良好賃金雇用を創出するというバイデン政権の議題に沿ったものである。設計図は、「米国のクリーン産業部門への移行を加速させる戦略」として、①商業的に利用可能でコスト効果に優れた低炭素ソリューションの短期的導入を加速、②導入のリスクを削減するため、新興ソリューションを商業規模で実証、③データの活用を強化して排出削減と効率性の向上を促し、パフォーマンスの大幅改善と進展追跡、④温室効果ガス排出を大幅に削減する変革的なプロセス及び製品の開発につながる研究の革新と進展、⑤産業製品における製品のライフサイクルを全体的に統合し、製品に組み込まれている温室効果ガス排出を削減、の5点を挙げている。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Releases First-Ever Blueprint for a Clean and Competitive Industrial Sector” (11/18/24)

エネルギー省、重要マテリアルの初期研究開発に1,000万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)の重要マテリアル・イノベーション・ハブ(Critical Materials Innovation Hub: CMI Hub)は、エネルギー・イノベーションに必要とされる重要マテリアル(レアアース元素、ガリウム、銅)を削減することを目的とした初期の技術研究開発を加速させるため、最大1,000万ドルの連邦資金を提供すると発表した。CMIハブはプロジェクトのプロポーザルを募集する分野として、①環境に優しいレアアース金属及び合金の生産、②ガリウム副生成物の効率的な回収/分離/濃縮、③窒化ガリウム半導体のガリウム含有量を削減する新たな化合物、④廃棄物の排出を最小限にするためのガリウム半導体製造プロセスの改良、⑤鉱山の廃棄物から銅資源を抽出するための硫化銅浸出の改善、を挙げている。CMIハブは、最大8件のアワード(各最大150万ドルの連邦資金と業界パートナーに提供される資金の20%の費用分担を義務付け)を見込んでいる。 Department of Energy “DOE Energy Innovation Hub Announces $10 Million for Early-Stage Research & Development on Critical Materials” (11/15/24)

ORNL、量子コンピューティングへのアクセスについて情報提供を要請

エネルギー省(Department of Energy)傘下のオーク・リッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory)で行われている量子コンピューティング・ユーザー・プログラム(Quantum Computing User Program: QCUP)は、多様な科学者コミュニティに量子コンピューティング資源へのアクセスを提供しながら、科学的な発展や技術的イノベーションを実現している。競争的でメリット・ベースのアクセス・プログラムであるQCUPは、量子コンピューティングのベンダーと提携し、量子コンピューティング資源へのクラウド・ベースのアクセスを提供し、ユーザーの相互のやり取りや資源管理、報告を促進することに取り組む。今般、QCUPは、量子コンピューティング資源の現在及び今後の有用性、量子コンピューティングのパフォーマンスの測定/追跡/予測に関する会議、多様な関係者との関与についてあらゆる関係者から情報を求める「情報の要請(Request for Information)」を発表した。 Oak Ridge National Laboratory “DOE’s Quantum Computing User Program releases request for information to gather input on quantum computing access” (11/15/24)

商務省、TSMCアリゾナ社に66億ドル提供

商務省(Department of Commerce:)は11月15日、TSMCアリゾナ社(TSMC Arizona Corporation)に対し、CHIPSインセンティブ・プログラム(CHIPS Incentives Program)による商業製造施設資金提供機会(Funding Opportunity for Commercial Fabrication Facilities)の下、最大66億ドルの直接資金を提供するアワードを発表した。TSMCアリゾナ社は台湾積体電路製造(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Limited: TSMC)の子会社。このアワードは今年4月8日発表された予備的規約覚書の締結と、商務省による精査完了を受けて決定された。アワードは、アリゾナ州フェニックスに建設される同社の3件の先端製造工場を対象とした650億ドル以上のグリーンフィールド投資を支援する。商務省は、TSMCアリゾナ社のプロジェクトのマイルストーンに応じて資金を提供する。CHIPSプログラム局は本アワードの下、最大66億ドルの直接投資に加えて、最大50億ドルの融資をTSMCアリゾナ社に提供する。 Department of Commerce “Biden-Harris Administration Announces CHIPS Incentives Award with TSMC Arizona to Secure U.S. Leadership in Advanced Semiconductor Technology” (11/15/24)

大統領府、米国バイオ製造能力の成長について報告

バイデン政権は、「持続可能で安全でセキュアな米国バイオ経済のためのバイオ技術とバイオ製造イノベーションの進展に関する大統領令(Executive Order on Advancing Biotechnology and Biomanufacturing Innovation for a Sustainable, Safe, and Secure American Bioeconomy)」(バイオ経済EO)(2022年9月)を通じて、医療/エネルギー/農業/産業部門のためのバイオ製造能力拡大計画を策定するよう連邦省庁に指示した。これに応答する形で、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は11月15日、「活気ある国内バイオ製造エコシステムの構築(Building a Vibrant Domestic Biomanufacturing Ecosystem)」と題する報告書を発表した。報告書は、現在の米国バイオ製造能力について説明し、成長を促進する主要な要素について特定している。バイオ経済EOはまた、国家バイオ技術及びバイオ製造イニシアチブ(National Biotechnology and Biomanufacturing Initiative: NBBI)を確立しており、米政権はNBBIの下、社会的ゴールに対処するための連邦研究開発を強化、調整している。 White House “White House Releases Report on Growing U.S. Biomanufacturing Capacity for the American Bioeconomy” (11/15/24)

PG&E社によるディアブロ・キャニオン原発での生成AI導入は米国原子力発電部門初

パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック社(Pacific Gas & Electric)は、ディアブロ・キャニオン原子力発電所(Diablo Canyon nuclear plant)にアトミック・キャニオン社(Atomic Canyon)が開発したニュートロン・エンタープライズ(Neutron Enterprise)ソリューションを導入する計画である。導入されれば、米国の原子力発電施設で初めての生成AIの導入となる。アトミック・キャニオン社が11月13日に発表した。ニュートロン・エンタープライズ・ソリューションは、エヌヴィディア社(NVIDIA)のAIプラットフォームを基に構築された検索及びデータ収集アプリケーションで、これによって発電所の職員がディアブロ・キャニオンの膨大な記録管理システムを検索する時間が大幅に削減され、いずれは原子力発電所の建設や運用においてより直接的な役割を担う可能性があると、ディアブロ・キャニオン原子力発電所とアトミック・キャニオン社の幹部は述べる。ソリューションの初期導入は2025年初頭に開始される予定。 Utility Dive “Generative AI deployment at Diablo Canyon is a first for US nuclear power sector: PG&E” (11/14/24)