Category:その他
NIH、公的資金を受けた研究への過度な出版手数料の抑制へ
国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は7月8日、科学的透明性と公的資金の責任ある管理に関する継続的な取り組みの一環として、NIH助成を受けた科学者の研究成果への公共アクセスを可能にするために、出版社が課す出版手数料に上限を設ける新たな政策計画を発表した。現在、一部の大手出版社は、即時の公共アクセスを目的として論文1件につき最大1万3,000ドルの手数料を課したり、政府当局から大幅な購読料を徴収しているなど、学術論文発表を取り巻く環境は問題となりつつある。こうした問題への対処として、NIHは、研究エコシステム内での合理的な出版手数料を確実にするため、2026年度から出版手数料に上限を設け、過度な論文処理手数料(article processing charges)を抑制し、不要な経済的障害なしに研究成果の広範な拡散を確実にすることを目指す。 National Institutes of Health “NIH to crack down on excessive publisher fees for publicly funded research” (07/08/25) https://www.nih.gov/news-events/news-releases/nih-crack-down-excessive-publisher-fees-publicly-funded-research
エネルギー省、3,800万ノード時の計算時間を提供 最先端研究を支援
エネルギー省(Department of Energy)科学局(Office of Science)は7月8日、先進科学計算研究(Advanced Scientific Computing Research: ASCR)リーダーシップ計算チャレンジ(Leadership Computing Challenge: ALCC)プログラムの下、56件の科学プロジェクトに3,800万ノード時を提供すると発表した。受益プロジェクトは、エネルギー省のスパコンを使って、実験的手法だけでは解決が不可能な問題に取り組む。プロジェクトは、核融合の進展からAIの基礎モデル開発に至るまでの広範囲に及ぶ。ALCCは、エネルギー省が所有する世界最先端のスパコンの時間を研究者に割り当てるもので、2025年は、オークリッジ・リーダーシップ計算施設(Oak Ridge Leadership Computing Facility)のフロンティア(Frontier)、アルゴンヌリーダーシップ計算施設(Argonne Leadership Computing Facility)のオーロラ(Aurora)及びポラリス(Polaris)、国立エネルギー研究科学計算センター(National Energy Research Scientific Computing Center)のパールマッター(Perlmutter)などのスパコンの計算時間が割り当てられる。 Department of Energy “Department of Energy Awards 38 Million Node-Hours of Computing Time to Support Cutting-Edge Research” (07/08/25) https://www.energy.gov/science/articles/department-energy-awards-38-million-node-hours-computing-time-support-cutting-edge
エネルギー省、4億ドル以上の助成金と煩雑な政策を排除
エネルギー省(Department of Energy)は7月8日、米国世帯のエネルギー費用の節約を意図したプログラムに4億ドル以上の資金提供を発表した。これらの資金は、「米国世帯のための価格緊急救済の実現と生活費危機の克服(Delivering Emergency Price Relief for American Families and Defeating the Cost-of-Living Crisis)」及び「米国エネルギーの解放(Unleashing American Energy)」と題する2つの大統領令の進展を支援するものである。具体的に、エネルギー省は、耐気候化援助プログラム(Weatherization Assistance Program: WAP)基金に3億2,500万ドルを、耐気候準備基金(Weatherization Readiness Funds: WRF)に3,000万ドルを割り当てる(受益機関は56件)。これらの投資は、米国世帯のエネルギー費用削減を目的とした政策と優先事項を進展させ、雇用機会を創出する。同省はまた、州エネルギープログラム(State Energy Program: SEP)に6,400万ドルを提供する。同じ56の受益機関が、エネルギーの信頼性と適正な費用、安全保障、そして企業と住民の節約を確実にするプログラムを推進する。同時にエネルギー省は、WAPにおいて炭素の社会的費用やその他の非エネルギーの影響を考慮する「耐気候化プログラム通知22-10(Weatherization Program Notice 22-10)」政策を撤回する。 Department of Energy “ENERGY DEPARTMENT ANNOUNCES OVER $400 MILLION IN FUNDING AND REMOVES BURDENSOME POLICY, HELPING AMERICANS SAVE ON ENERGY BILLS” (07/08/25) https://www.energy.gov/scep/articles/energy-department-announces-over-400-million-funding-and-removes-burdensome-policy
米国とイスラエル、AIイノベーションの共同促進に合意
クリス・ライト・エネルギー長官(Chris Wright)とダグ・バーガム内務長官(Doug Burgum)(ライト長官は国家エネルギー優位評議会(National Energy Dominance Council: NEDC)の副委員長、バーガム長官は同評議会委員長を兼務)は7月8日、イスラエルのベンジャミン・ネタニヤフ首相(Benjamin Netanyahu)及びイェヒエル(マイケル)・ライター駐米大使(Yechiel (Michael)Leiter)と共に、エネルギー及びAIに関する協力を進展させることを目的とした覚書に署名した。覚書は、米国とイスラエル両国のエネルギーシステムの安全保障と対応力を強化するAIの変革的な可能性を強調するものである。両国はまた、データセンターによるエネルギー需要増の影響の分析や電力網最適化の機会、AIによるサイバーセキュリティツールの強化といった分野での協力を追求し、エネルギーインフラにおけるAI使用に関するベストプラクティスの共有などを推進する意向である。 Department of Energy “U.S. and Israel Pledge to Work Together to Unleash AI Innovation with New Memorandum of Understanding” (07/08/25) https://www.energy.gov/articles/us-and-israel-pledge-work-together-unleash-ai-innovation-new-memorandum-understanding
研究開発費の対GDP比、過去最高の3.43%に 実験開発が牽引
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は7月8日、2022年の国内総生産(Gross Domestic Product: GDP)に占める研究開発(Research and Development: R&D)費の比率が3.43%に達し、過去最高を記録したと発表した。NSF傘下の国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics: NCSES)の調査によると、この比率の上昇は主に実験開発分野への投資拡大によるもので、同分野だけでも対GDP比で2010年の1.67%から2022年には2.31%へと大きく増加した。2022年の研究開発費全体の内訳を見ると、実験開発費が67%に達した一方で、基礎研究は15%、応用研究は18%となり、より実用化に近い研究開発へ資金が集中している傾向を示している。 NSF “U.S. R&D-to-GDP Ratio Reached 3.43% in 2022, Driven by Experimental Development” (07/08/25) https://ncses.nsf.gov/pubs/nsf25335
ローレンス・リバモア国立研究所、ELI ERICとレーザー科学研究強化へ
ローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory: LLNL)は7月7日、欧州の研究基盤である極限光科学拠点(Extreme Light Infrastructure: ELI)欧州研究基盤コンソーシアム(European Research Infrastructure Consortium: ERIC)との戦略的協力関係を強化する新たな覚書を締結したと発表した。両機関は世界最高強度・最高平均出力のレーザーの近くでも持続的に耐えられるシステムや診断装置など、多様な用途に対応する技術開発を推進する。今回の合意は、LLNLが開発し、チェコのプラハ近郊にあるELIビームラインズ施設(ELI Beamlines Facility)に納入した10Hzの高繰り返し周波数を持つ先進ペタワット級レーザーシステム、L3 HAPLS(High-Repetition-Rate Advanced Petawatt Laser System)レーザーの成功など、10年以上にわたる協力関係に基づくもので、核融合やプラズマ物理学研究などの分野で協力拡大に向け、職員交流やインターンシップなどを通じて両機関の連携をさらに深め、更なる国際連携を構築すると強調している。 LLNL “ELI and LLNL strengthen collaboration” (07/07/25) https://www.llnl.gov/article/53106/eli-llnl-strengthen-collaboration
エネルギー省、2030年に停電100倍増と警告
エネルギー省(Department of Energy)は7月7日、電力網の信頼性と安全性に関する報告書を発表し、新たな電源を確保できなければ、2030年に停電が100倍に増加すると警告した。報告書によると、2030年までに104ギガワット(GW)の電源が廃止され、新たな電源が十分に確保されない場合、年間の停電時間が現在の1桁(0~9時間)から800時間以上に増加する可能性があるという。特に人工知能(AI)によるデータセンターの増加が大きな要因で、現在の電力供給体制では5年以内にほとんどの地域で高まる電力需要に応えられなくなる恐れがあると指摘した。クリス・ライト長官(Chris Wright)は、従来の方法ではこの事態に対応できず、新たなアプローチが必要であると強調し、近隣の送電網への依存度の高まりを適切に分析できる統合モデルの開発の必要性を訴えている。これを受け同省は、脆弱な地域を特定し、必要な電源容量の目標を設定することで、信頼性の確保を目指している。 Department of Energy “Department of Energy Releases Report on Evaluating U.S. Grid Reliability and Security” (07/07/25) https://www.energy.gov/articles/department-energy-releases-report-evaluating-us-grid-reliability-and-security
エネルギー省、ノルウェーとの水力・海洋エネルギー研究開発を拡大
エネルギー省(Department of Energy)は7月7日、水力発電と海洋エネルギーの研究開発でノルウェーエネルギー省(Royal Ministry of Energy)との協力覚書(Memorandum of Understanding: MOU)を延長すると発表した。これに伴い、同省の水力発電技術局(Water Power Technologies Office)とノルウェー水力発電技術研究センター(Norwegian Research Centre for Hydropower Technology)が協働し、試験データやシミュレーションツールなどを共有する。今回のMOU 附属書は2020年に締結した水力分野の枠組みを拡大し、海洋エネルギーを正式に対象に加えるもので、低コストで信頼性の高い電力網実現に向けた取り組みとなる。これにより、沿岸の人口密集地へ地域産電力を供給する可能性が広がる見通しで、両国は既存水力施設の拡張や新技術の実証も進め、設備拡充と専門人材の育成を図るという。取り組みは、トランプ政権のエネルギーコスト削減と成長戦略を後押しするもので、国内発電能力の強化を目指す。 Department of Energy “Energy Department Expands Commitment to Collaboration with Norway on Water Power Research and Development” (07/07/25) https://www.energy.gov/articles/energy-department-expands-commitment-collaboration-norway-water-power-research-and
トランプ政権、連邦職員の採用を厳格化
大統領府は7月7日、連邦政府職員採用において、大統領が任命した省庁幹部の承認を義務付ける大統領覚書に、トランプ大統領が署名したと発表した。この措置は、業務遂行能力や結果などを度外視した「公平性」に基づく採用慣行を終わらせ、政権の優先事項と説明責任を確保することを目的としたもので、今回の決定により、10月15日まで、連邦政府の空席補充や新規採用には原則として省庁幹部の承認が必要となる。ただし、国家安全保障や公安関連の職は適用除外としており、政権は、官僚主導ではなく大統領任命の幹部が採用を管理することで、民主的な説明責任が確保されると説明した。バイデン前政権下で政府部門の雇用が拡大した傾向を転換し、民間部門の成長を優先する方針の一環で、トランプ大統領は効果のない政府プログラムを一掃するという公約実現のため、政府の合理化と官僚機構改革を進める姿勢を改めて強調している。 The White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Ensures Accountability and Prioritizes Public Safety in Federal Hiring” (07/07/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/07/fact-sheet-president-donald-j-trump-ensures-accountability-and-prioritizes-public-safety-in-federal-hiring/
トランプ大統領、グリーンエネルギー補助金撤廃を発表
大統領府は7月7日、トランプ大統領が、再生可能エネルギーへの補助金を撤廃する大統領令に署名したと発表した。政府が推進する減税法案「ワン・ビッグ・ビューティフル・ビル法(One Big Beautiful Bill Act)」に基づき、信頼性の低い風力や太陽光発電への依存を断ち切り、外国企業に対する制限を強化する。これに伴って、財務長官に対し、風力・太陽光施設向けのクリーン電力生産・投資税額控除を打ち切るよう指示し、内務長官には、これらの関連施設への優遇措置を廃止するよう求めた。政府は、外国の敵対勢力が管理する供給網への依存を深めることにより、国家安全保障を脅かされると指摘しており、トランプ大統領は、原子力や化石燃料、また、新興技術などあらゆる形態の信頼性の高いエネルギー源の活用を推進し、米国のエネルギー優位性を確立する姿勢を鮮明にしている。 The White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Ends Market Distorting Subsidies for Unreliable, Foreign-Controlled Energy Sources” (07/07/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/07/fact-sheet-president-donald-j-trump-ends-market-distorting-subsidies-for-unreliable-foreign-controlled-energy-sources/