米国、生体試料の使用に関する論争的な同意義務付け案を放棄

厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)及びその他の連邦機関は1月19日付けの連邦広報(Federal Register)で、「被験者保護に関する連邦政策(Federal Policy for the Protection of Human Subjects)」の更新版を発表した。これは、1991年に共通規則(Common Rule)として発布されたもので、HHS及び関連機関は医療研究の変化(臨床試験数の増加や電子医療記録の使用など)に対応させることを目的に、2011年から抜本的見直しを行っていた。見直しの一環として2015年9月に発表された提案では、臨床ケアあるいは具体的な研究活動で残った生体試料をドナーの同意を得ずに新たな研究に使用することについて(現行ではドナーを特定できる情報が排除されていればそれが可能)、生体試料を将来的に広範に利用することを承認するドナーの同意文書取得を義務付けることが提案されていた。この変更は大きな費用負担につながることもあり、研究機関や科学者たちは「多くの小さな病院やクリニックは研究者にサンプルを提供することを止めるようになる」と主張していた。今回発表された更新版ではこの論争的な義務付けは排除された。
Science “Update: U.S. abandons controversial consent proposal on using human research samples” (1/18/17)