2012年度予算案における研究開発予算

2012年度大統領予算案では、連邦支出の多くの部門で前年度維持・削減が断行される一方で、研究開発・教育分野では投資の増加に取り組む大統領府の意向が示される結果となった。研究分野別の概要は下記の通り。
●基礎研究:国立科学財団(NSF)の研究開発予算は約16%増で、その資金の多くをクリーンエネルギー・イニシアチブやサイバーインフラ、医療用ロボット工学などといった分野での学際的な研究および訓練に充当。
●地球および気候に関する研究:商務省(DOC)の国立海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration:NOAA)に約55億ドルを要請(2010年度の充当予算は48億6,000万ドル)。その多くは天候予測に重要な人工衛星開発に向けられる。
●宇宙・惑星研究:航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration:NASA)の研究開発予算は2.2%減少の98億ドル。
●エネルギー科学:DOEの再生可能技術が好まれ、化石燃料がその犠牲となっている。DOEの科学局(Office of Science)の予算は2年連続の増加となる54億ドルに上昇し、再生可能エネルギーの研究開発プログラム内は水素技術のみが減少した。この他、エネルギー高等研究局(ARPA-E)予算として5億5,000万ドルが要請され、エネルギー・イノベーション・ハブの件数が2倍の6件となった。そしてこれらのコスト相殺努力として、化石燃料部門が大幅削減された。
●バイオ医療研究:厚生省(Department of Health and Human Services)の研究予算として323億ドル(現会計年度に比べ微減)を要請。このほとんどが国立衛生研究所(NIH)向けである。NIHではゲノミクスやバイオ技術に重点を置いた研究が続けられる。NIHは、国立トランスレーショナル科学進展センター(National Center for Advancing Translational Sciences)の新設も提案されている。
●技術・環境研究:米国標準技術局(NIST)の予算が7.2%増となる10億ドル以上となった一方、環境保護庁(EPA)の研究予算は減少。
US News and World Report “2012 Budget Offers pain and Gain for R&D” (2/15/11)