セキュリティ・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は今般、「世界的な機能獲得研究の概況に関する理解(Understanding the Global Gain-of-Function Research Landscape)」と題する報告書を発表した。機能獲得(gain-of-function: GOF)及び機能損失(loss-of-function: LOF)の研究は、科学者が病原体について研究する上で貴重な2つの手法となっている。相互関係のあるこの研究手法は、病原体の遺伝子を改変して機能を追加/削除することで、病原体の機能について理解を深め、新たなワクチンや治療法の開発につなげる。しかし、科学的に広くその価値が認識されているものの、GOF/LOF研究は、一部の者によって内在的リスクが指摘されており、米国の政策策定者の間で注目と懸念を招いている。本報告書は、機械学習と領域専門家のレビューを組み合わせた定量的手法に基づき、世界のGOF/LOF研究の概況についてまとめている。キーファインディングとして、①GOF/LOF研究は世界的に継続されており、協調的に実施されている、②GOF/LOF研究はしばしば同じ研究で同時に行われている、などが挙げられている。CSETは更に、GOF/LOF研究は、公衆衛生の面から広く利用されることなどから、「これを規制することは難しいだろう」との見解を示している。