Category:その他
国土安全保障省、科学技術局の研究助成金を全面停止
NEXTGOV/FCWは4月8日、国土安全保障省(Department of Homeland Security:DHS)が、傘下の科学技術局(Science and Technology Directorate:S&T)の研究助成を全て停止すると報じた。同省のジュリー・ブリューワー科学技術局長代理(Julie Brewer)の署名入り内部文書によると、大学との共同研究プログラム「センター・オブ・エクセレンス(Centers of Excellence)」をはじめ、マイノリティ支援機関との協力協定など、総額1,760万ドルの助成金が打ち切られる。新たな優先任務として、国境の安全確保と管理、移民法執行、国際犯罪組織対策、合法的な貿易促進と渡航プロセスの迅速化の4分野が設定され、研究優先分野に関しては化学・生物兵器、爆発物や人工知能(AI)などの脅威への対応やサイバーセキュリティ、緊急対応、重要インフラの4分野が示された。これにより約500人の職員の半数程度が人員削減の対象となる可能性があるといい、トランプ政権による政府効率化を目的とした大規模な人員削減の一環とされている。 NEXTGOV/FCW “DHS cancels S&T grants under a new mission focus for the directorate” (04/08/25) https://www.nextgov.com/digital-government/2025/04/dhs-cancels-st-grants-under-new-mission-focus-directorate/404378/?oref=ng-homepage-river
電力貯蔵技術で市場改革を 送電網の信頼性向上へ ACP発表
アメリカン・クリーン・パワー協会(American Clean Power Association:ACP)は4月8日、電力貯蔵技術によるコスト削減と地域の電力網安定化に向けた市場改革に関するブラットル・グループ(The Brattle Group)が作成した報告書を発表した。報告書では、電力貯蔵により電力コストを削減し、送電網の安定化に寄与しているカリフォルニア州とテキサス州の事例を紹介しており、地域送電網事業者に対し、電力貯蔵技術の市場参入障壁の撤廃などのエネルギー市場ルールの近代化に向けた改革を促している。電力需要の急増へ対応するため、各地域の送電網事業者も改革の準備が整っているとし、エオリアン社(Eolian)、アリアント・エナジー社(Alliant Energy)、ジュピター・パワー社(Jupiter Power)、クリアウェイ社(Clearway)などの企業も、市場改革への支持を表明しているという。 ACP “New Report: Market Reforms to Harness Energy Storage and Strengthen Regional Grid Reliability” (04/08/25) New Report: Market Reforms to Harness Energy Storage and Strengthen Regional Grid Reliability
政府の研究開発費、2024年度は増加見込み
国立科学技術統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)は3月19日、連邦政府の研究開発(R&D)支出について、2023年度は前年度比2.1%減の1,864億ドルであったものの、2024年度は5.0%増の1,957億ドルに増加すると発表した。2023年度の減少は、厚生省(Department of Health and Human Services)傘下の生物化学先端研究開発局(Biomedical Advanced Research and Development Authority: BARDA)の新型コロナ(COVID-19)パンデミック資金の終了による支出の大幅減などが主な原因となっているが、国防総省(Department of Defense)による研究開発プログラムの増加によって、一部相殺された。2024年度の増加は、国防総省と商務省(Department of Commerce)のR&D支出増加が牽引役となる見込みで、特に商務省の増加は、2022年に成立したCHIPS法による追加予算、特に傘下の米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)への配分によるものとみられる。 NSF “Federal R&D Obligations Declined 2.1% in FY 2023; Estimated to Increase in FY 2024” (03/19/25) https://ncses.nsf.gov/pubs/nsf25329
R&D支出 民間の投資増加傾向も、政府拠出は減少
米国科学財団(National Science Foundation:NSF)傘下の国立科学技術統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)は2月27日、2022年の研究開発(R&D)総額は8,920億ドルに達し、2023年は9,400億ドルに増加する見込みと発表した。2022年の内訳は、民間企業が6,730億ドル、政府が1,640億ドルを拠出し、主に民間企業によるR&D投資の増加が際立った。R&Dの対GDP比率は、2022年に3.43%、2023年には3.39%と推計され、R&D集約度の目標である3%台を維持する見込みである。一方で、政府によるR&Dへの支出はGDP比で1964年以降、減少傾向にある。2014年以降は0.70%以下で推移し、2022年はGDPの0.63%にとどまった。民間企業による投資は、特に基礎研究で増加し、この傾向は、R&Dのスピルオーバー効果(R&Dによって得られた知識が、企業や産業に影響を与えること)の観点からも注目されている。 NSF “U.S. R&D Totaled $892 Billion in 2022; Estimate for 2023 Indicates Further Increase to $940 Billion” (02/27/25) https://ncses.nsf.gov/pubs/nsf25327
カーニー、FDI信頼感指数発表 世界経済は転換期
大手コンサルティング会社のカーニー社(Kearney)は4月8日、2025年カーニー対外直接投資(Foreign Direct Investment:FDI)信頼感指数(Kearney FDI Confidence Index®)を発表し、世界経済の不確実性が増大する中、投資家は安全と安定を重視し、先進国市場への投資を優先しているとした。米国とカナダが3年連続で首位を維持し、技術革新とインフラの高品質がそれぞれ評価された。英国とドイツは、技術革新と経済パフォーマンスでそれぞれ3位と5位となり、欧州をリードした。日本は技術革新の継続的な推進や賃金上昇により4位となった一方、中国は不動産危機や貿易の不確実性などの経済課題の影響で3位から6位に後退した。投資家は地政学リスクの高まりとそれに伴うサプライチェーン混乱の可能性を懸念し、商品価格高騰をリスク要因として挙げた。欧州連合(EU)への見方は概ね良好であるが、ウクライナ紛争の拡大は依然、懸念事項であるという。 Kearney “The 2025 Kearney FDI Confidence Index®: World at inflection” (04/08/25) https://www.kearney.com/service/global-business-policy-council/foreign-direct-investment-confidence-index
エネルギー省 原子力発電推進を発表
エネルギー省(Department of Energy)は4月8日、データセンターの電力需要に対する有力な選択肢として原子力発電を活用する方針を発表した。2028年までにデータセンターの電力消費量が米国の総発電量の12%に達すると予測される中、原子力発電は24時間365日の安定供給が可能で、データセンターに求められる99.999%以上の高い稼働率に対応できるという。一方で、新型炉の建設には時間とコストがかかる上、使用済み核燃料の保管など課題もあり、同省は規制緩和を進め、国内の高純度低濃縮ウラン(HALEU)燃料供給体制の整備も支援する方針である。2024年9月のマイクロソフト社(Microsoft)などによるスリーマイル島原子力発電所1号機(Three Mile Island Unit 1)再稼働による20年間の電力購入契約締結に加え、ペンシルバニア州のサスケハナ発電所(Susquehanna Steam Electric Station)などを含む既存の原子力発電所に隣接したデータセンター建設の検討も始まっているという。 Department of Energy “Advantages and Challenges of Nuclear-Powered Data Centers” (04/08/25) https://www.energy.gov/ne/articles/advantages-and-challenges-nuclear-powered-data-centers
国防総省、ミサイル追跡衛星でスペースX社に比重
ワシントン・ポスト紙(The Washington Post)は4月8日、複数の契約企業が関与するミサイル追跡衛星プログラムを再構築する予定の国防総省(Department of Defense)が、本件に関しスペースX社(SpaceX)に多くの業務を委託する可能性と報じた。これに対しケビン・クレーマー上院議員(Kevin Cramer、ノースダコタ州選出共和党)は公聴会で、競争原理を損なうと懸念を表明している。同計画は総額350億ドルのミサイル警報システムで、300〜500の小型衛星による低軌道ネットワーク構築するものであるが、レーザー技術で通信する衛星は無線周波数よりも傍受が困難でこの技術開発に苦戦している現状がある。新規参入の機会を設けつつも予算削減にも対応し、レーザー通信技術を持つ同社のスターリンク(Starlink)のような商用システムを利用して計画を軌道に乗せたい同省の目論見がある一方で、マスク氏の政治的影響力への懸念の声もある。 The Washington Post “Pentagon may turn to Musk’s SpaceX for military satellites” (04/08/25) https://www.washingtonpost.com/business/2025/04/07/spacex-musk-pentagon-satellite-missiles/
スタンフォード大学 2025年AIインデックス・レポート発表
スタンフォード大学(Stanford University)の人間中心の人工知能(AI)研究所(Human-Centered AI. The research)は、2025年のAIインデックス・レポートを発表した。同レポートでは、①AIパフォーマンスが急激に増加、②AIは医療や交通など日常生活に浸透、③2024年のAI向け民間投資は米国で1,091億ドルと、中国の12倍、③AIモデル開発で米国がリードするも、中国がパフォーマンスギャップを埋めつつある、④AIに対する消費者期待は中国やタイなどで高く、米国やカナダなどでは低い、⑤AIハードウェアコスト減少、省エネ増加などAIの効率化・アクセスが向上、⑥政府レベルでのAI規制及び投資ともに強化、⑦AI・コンピュータサイエンスの教育が拡大するものの、国レベルでのアクセス・インフラ格差は存在、⑧AIモデルの9割が民間企業によるもので、モデル間のパフォーマンス格差は縮小傾向、⑨ノーベル賞などの賞与においてAI研究に注目、などが報告されている。 Stanford University “The 2025 AI Index Report” (04/07/25) https://hai.stanford.edu/ai-index/2025-ai-index-report
米国の電力需要、2050年までに50%増加へ
米国電機工業会(National Electrical Manufacturers Association: NEMA)は4月7日、データセンターと交通機関の電化により、米国の電力需要が今後25年間で年間2%増加し、2050年までに50%に達すると報じた。データセンターのエネルギー消費は今後10年間で300%増加し、電動モビリティの電力消費は2050年までに9,000%となる見込みという。NEMAのデブラ・フィリップス最高経営責任者(Debra Phillips)は、この驚異的な需要増に対応するための技術と政策の革新が必要であると強調し、特に老朽化した送電線という課題に直面していることにも言及した。エネルギー貯蔵の重要性が増す中、米国の電力網に接続される貯蔵容量は今後15年間で1,100%増加するとも予測し、NEMAは発電や送電の改善と強化、重要鉱物開発に関する許可と立地の改革、電力網技術の税制優遇、また天然ガスや小型モジュール炉、地熱などのエネルギー資源活用を提言している。 NEMA ” New Study Highlights Urgent Need to Prioritize Grid Reliability to Meet Surging Electricity Demand” (04/07/25) https://www.makeitelectric.org/newsroom/news/new-study-highlights-urgent-need-to-prioritize-grid-reliability-to-meet-surging-electricity-demand/
トランプ大統領、国防科学技術部門に極超音速の専門家を指名
ディフェンススクープ(DEFENSESCOOP)は4月1日、トランプ大統領がジョセフ・ジュエル氏(Joseph Jewell)を国防総省(Department of Defense)の科学技術担当次官補(Assistant secretary of defense for science and technology)に指名したと報じた。ジュエル氏は、パデュー大学(Purdue University)の航空宇宙学准教授で、極超音速(hypersonics)性能をテストできるマッハ6の静音風洞に関する極超音速研究の第一人者であり、空軍研究所(Air Force Research Laboratory)でも同技術の研究を2年行っていた。現在、上院の承認待ちで、科学技術部門を統括し、量子科学や先端製造技術、極超音速研究などの重要イニシアチブを推進するこのポジションへの同氏の起用は、大気圏をマッハ5以上の速度で飛行できる先進兵器の開発を進める最重要課題に取り組む同省にとって有益であるという。トランプ大統領はミサイル防衛構想「ゴールデンドーム(Golden Dome effort)」計画における防衛能力強化を推進している。 DEFENSESCOOP “Trump taps hypersonics expert to oversee Pentagon’s S&T portfolio” (04/01/25) Trump taps hypersonics expert to oversee Pentagon’s S&T portfolio