Category:その他
大統領府、包括的な「米国第一」通商政策を発表
大統領府(The White House)は4月3日、貿易赤字の削減と国内産業保護を柱とする包括的な「米国第一通商政策(America First Trade Policy:AFTP)」報告書を発表した。これは、1.2兆ドルに達した2024年の貿易赤字へ対応策として、貿易相手国への関税引き上げや800ドル以下の少額輸入免税制度の廃止などの提言を含めた24章で構成される報告書である。過去の不公正な貿易慣行の抑止に向け、歳入を最大限に確保するための対外歳入庁(External Revenue Service: ERS)設立や為替操作の監視・対応など、既存の貿易協定の見直しを図る。特に中国に対しては、第1期トランプ政権で合意した「第1段階合意」の不履行を指摘し、知的財産権保護や農産物・金融サービス分野での是正を求める。また、カナダ・メキシコとの「米国・メキシコ・カナダ協定(United States-Mexico-Canada Agreement:USMCA)」の再交渉や、鉄鋼・アルミニウム製品への関税措置の強化などに加え、海外投資を制限するなど見直しも図るという。 The White House “Report to the President on the America First Trade Policy: Executive Summary” (04/03/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/04/report-to-the-president-on-the-america-first-trade-policy-executive-summary/
PG&E、4,300万ドルのマイクログリッド助成金を発表
ユーティリティ・ダイブ(UTILITY DIVE)は4月2日、公益事業会社のパシフィック・ガス・アンド・エレクトリック社(Pacific Gas & Electric: PG&E)が北カリフォルニアの脆弱なコミュニティ向けに最大4,300万ドルの助成金を提供することを発表したと報じた。この助成金は、カリフォルニア州のマイクロ・グリッド・インセンティブ・プログラム(Microgrid Incentive Program)の一環で、ハンボルト、レイク、マリン郡の約9,000人にサービスを提供する、太陽光、蓄電、小型水力発電、揚水発電、バイオマスなどのさまざまな低排出発電資源を活用する9つのプロジェクトに充てられる。また、分散型エネルギー企業サンラン社(Sunrun)は、PG&Eの新プログラムを通じて、家庭用太陽光発電および蓄電システムを活用し、電力網の制約がある地域における負荷軽減を図るとし、これにより、地域の電力供給の安定化など信頼性向上と長期的な負荷シフトプログラムの開発が期待されている。 UTILITY DIVE “PG&E announces microgrid awards for $43M as Sunrun joins its 2025 VPP” (04/02/25) https://www.utilitydive.com/news/pge-announces-microgrid-awards-for-43-million-sunrun-joins-2025-vpp/744223/
エネルギー貯蔵システムの脆弱性懸念 CESAパネル
ユーティリティ・ダイブ(UTILITY DIVE)は4月3日、エネルギー貯蔵システムや分散型エネルギー資源がサイバー攻撃に対して特に脆弱であるとの専門家の警告を報じた。クリーンエネルギー州連盟(Clean Energy States Alliance: CESA)が主催したパネルによると、専門家たちは、これらのシステムがクラウドベースのコンピューター・ソフトウェアに依存しているため、サイバーセキュリティの強化が必要であると指摘した。北米電力信頼度協議会(North American Electric Reliability Corporation: NERC)のハワード・グーゲル氏(Howard Gugel)は、遠隔(リモート)修理の利点と同時に、悪意のある攻撃のリスクも懸念されると指摘した。専門家らは、これまでエネルギー貯蔵システムへの直接的な攻撃はまだ認識されていないが、エネルギー貯蔵システムの接続方法によってリスクが異なるため、規制当局と公益事業会社に対し、リスク評価を実施し、適切な対応策を講じる必要があると指摘している。 UTILITY DIVE “Experts raise concerns about cybersecurity and energy storage systems” (04/03/25) https://www.utilitydive.com/news/experts-raise-concerns-about-cybersecurity-and-energy-storage-batteries-hackers/744170/
ペンシルベニア州に4.5GWのガス火力発電所計画
ユーティリティ・ダイブ(UTILITY DIVE)は4月3日、ペンシルベニア州の旧ホーマーシティ石炭火力発電所(former Homer City coal-fired power plant)跡地に4.5ギガワット(GW)のガス火力発電所の建設が計画されていると報じた。ホーマー・シティ・リデベロップメント社(Homer City Redevelopment : HCR)とキーウィット・パワー・コンストラクターズ社(Kiewit Power Constructors)による100億ドル規模の発電プロジェクト、ホーマーシティ・エネルギー・キャンパス・プロジェクト(Homer City Energy Campus project)は、データセンター・キャンパス向けに電力を供給し、前発電所と比べ温室効果ガス排出量の約60%削減を見込むという。テキサス東部ガスパイプライン(Texas Eastern gas pipeline system)からの燃料供給を受け、地域へ電力供給にも貢献する。2027年の稼働開始を予定し、連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission: FERC)も新たに共同設置規則を承認する可能性という。 UTILITY DIVE “Largest US gas-fired power plant planned for data centers in Pennsylvania” (04/03/25) https://www.utilitydive.com/news/homer-city-gas-fired-power-station-data-center-firstenergy/744332/
NISTの官民パートナーシップを促進する超党派法案、再提出
FEDSCOOPは4月1日、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology: NIST)における民間部門との連携強化を目的とした非営利財団を設立する超党派法案が、下院と上院で再提出されたと報じた。拡大パートナーシップによる革新と競争力向上法: EPIC法(Expanding Partnerships for Innovation and Competitiveness: EPIC Act)は、商務省(Department of Commerce)における基準と計測のための財団を創設し、学界や産業などとの協力を促進することを目的としており、法案の共同提案者であるヘイリー・スティーブンス下院議員(Haley Stevens、ミシガン州選出民主党)は「NISTが米国の技術リーダーシップを確保するための資金を持つことが重要」と述べ、同局が開発した技術の商業化支援に貢献するだろうと伝えている。法案は前回の議会で通過しなかったが、NISTの元所長や多くの組織から支持を受けているという。 FEDSCOOP “Bipartisan bill to foster public-private partnerships for NIST reintroduced in House, Senate” (04/01/25) Bipartisan bill to foster public-private partnerships for NIST reintroduced in House, Senate
サイバー・ラベリング・プログラム 無線および産業製品への拡大の可能性
NEXTGOV/FCWは4月2日、バイデン政権下で始まったサイバー・ラベリング・プログラム(Cybersecurity Labeling Program)が、家庭用インターネット機器を超えて無線および産業製品に拡大する可能性があると、連邦通信委員会(Federal Communications Commission: FCC)のナサン・シミントン委員(Nathan Simington)が述べたと報じた。バイデン政権下のプログラムで今年初めに正式に開始した、政府のサイバー・セキュリティ基準を満たしていることを示す「サイバー・トラスト・マーク(Cyber Trust Mark)」を記載したモノのインターネット(Internet of things: IoT)デバイスの提供において、政府は2027年までにこのラベル付きデバイスの調達を義務付けている。同委員は現政権が期限を厳守するか注視しているとしつつ、同プログラムの潜在的な拡大について言及した。また、FCCは関連機関との連携を強化し、中国からの技術的脅威に対処するための内部国家安全保障評議会を設立したことも明らかにした。 NEXTGOV/FCW “Cyber label program could expand past consumer goods, FCC commissioner predicts” (04/02/25) https://www.nextgov.com/cybersecurity/2025/04/cyber-label-program-could-expand-past-consumer-goods-fcc-commissioner-predicts/404244/?oref=ng-skybox-hp
AI技術に対する専門家と一般市民の意識格差が明らかに ピュー調査
ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center: PRC)は4月3日、2024年に実施した人工知能(AI)に対する専門家と一般市民の意識調査結果を発表した。調査によると、今後20年間のAIの影響について、専門家の56%が肯定的な見方を示したのに対し、一般市民では17%にとどまった。特に雇用への影響では、専門家の73%が好影響を予測する一方、一般市民では23%と大きな開きが見られた。ただし、両者ともAIの規制については共通の懸念を示し、約6割が政府による規制が不十分になることを危惧している。AIの設計における性別や人種についても、男性や白人の視点が優先される傾向を両者が指摘し、専門家の間でも性別による意識の差が顕著で、AIへの期待度は男性が63%なのに対し、女性は36%にとどまった。不正確な情報、なりすまし、データの悪用などがAIに対する懸念事項で、一般の人々は特に、人間関係の喪失につながることを懸念しているという。 Pew Research Center “How the U.S. Public and AI Experts View Artificial Intelligence” (04/03/25) https://www.pewresearch.org/internet/2025/04/03/how-the-us-public-and-ai-experts-view-artificial-intelligence/
アメリカン大学 AI応用学研究所を創設
AXIOSは4月3日、アメリカン大学(American University: AU)のコゴッド・スクール・オブ・ビジネス(Kogod School of Business: KSB)が教育全般にAIを導入する取り組みを本格化し、新たにAI応用学研究所(Institute for Applied Artificial Intelligence: IAAI)を設立すると報じた。一部の教育機関で生成AIの使用禁止が続く中、入学初日からのAI利用を奨励するKSBのデイビッド・マーチック学部長(David Marchick)は、学生が消費者調査やマーケティングなど多分野でAIを活用し、ビジネスマンとして卒業後の即戦力となることに重きを置いているという。これに対応し、教員も現在の15名から増員する予定で、AIスタートアップであるパープレキシティ社(Perplexity)とも提携し、学生に同社の企業版ツールを無償提供を開始する。同学部長は「電卓で数学の理解が損なわれなかったように、AIもビジネススキルを向上させるための手段」と述べ、学生が実社会で活躍するための準備としてのAIの幅広い応用を奨励している。 AXIOS “Exclusive: American University launches AI institute” (04/03/25) https://www.axios.com/2025/04/03/generative-ai-business-school-students
ニュージャージー州に新たなAI拠点誕生 産学官連携ハブ
プリンストン大学(Princeton University)は3月28日、マイクロソフト社(Microsoft)やコアウィーブ社(CoreWeave)、ニュージャージー経済開発局(New Jersey Economic Development Authority: NJEDA)と共同で、イノベーション拠点「ニュージャージーAIハブ(NJ AI Hub)」を正式に開所すると発表した。研究開発から人材育成まで幅広く連携し、研究者やスタートアップとの協働を通じて最先端の人工知能(AI)技術の実社会への導入や新産業の創出を目指す。同ハブは同大学が保有する区画に設置され、州と大学、産業界が総額7,200万ドル超の支援を表明している。マイクロソフト社の地域活性化プログラム「テックスパーク(TechSpark)」の導入やコアウィーブ社による高度コンピューティング資源と技術支援の提供などAIを通じた職業訓練や新規雇用の創出など、同大学は、この取り組みが教育・研究の高度化と地域経済活性化に大きく寄与するとし、期待を寄せている。 Princeton University “Founding partners unveil NJ AI Hub as center for innovation” (03/28/25) https://www.princeton.edu/news/2025/03/28/founding-partners-unveil-nj-ai-hub-center-innovation
商務省の製造業支援プログラム(MEP)の予算を凍結
ワイアード誌(WIRED)は4月2日、トランプ政権が40年近く続いた中小製造業支援プログラム「製造業拡張パートナーシップ(Manufacturing Extension Partnership: MEP)」への予算支出の停止を発表したと報じた。これは、商務省(Department of Commerce)傘下の米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology: NIST)が運用するプログラムで、人工知能(AI)や量子技術などの重要技術分野への予算再配分を理由に、10州のMEPセンターへの約1,290万ドルの支出が凍結された。MEPは1980年代に設立され、全米50州で中小製造業に対し経営・技術戦略を提言してきた実績がある。専門家らは、対中貿易戦争の最中にこの支援を打ち切ることは、国内製造業強化を掲げるトランプ政権の方針と矛盾すると指摘している。今回の措置により、特に地方の中小製造業者が技術革新や人材育成面での支援を失うことが懸念されている。 WIRED “Trump and DOGE Defund Program That Boosted American Manufacturing for Decades” (04/02/25) https://www.wired.com/story/nist-trump-manufacturing-extension-partnership/