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ビンガマン上院議員の引退でエネルギー政策開発への長期的影響が指摘される
共和党議員との中道派的合意をとりまとめてきた実績で知られる民主党のジェフ・ビンガマン上院議員(Jeff Bingaman、ニューメキシコ州選出)が2月18日に、次期選挙で再選を目指さないことを表明したことを受け、今後の議会におけるエネルギー政策開発への長期的影響が懸念され始めている。現在、エネルギー天然資源委員会(Energy and Natural Resources Committee)の委員長を務める同議員は、地味で目立つ存在ではないが、共和党議員との異例の超党派関係を築き、2005年の大型エネルギー法案や2007年の超党派クリーンエネルギー法案などを策定した他、同委員会で現ランキングメンバーであるリサ・マーカウスキー議員(Lisa Murkowski、アラスカ州選出共和党議員)とも協力関係にある。エネルギー・天然資源委員会の次期委員長候補としては、ロン・ワイデン議員(Ron Wyden、オレゴン州選出)やメアリー・ランドリュー議員(Mary Landrieu、ルイジアナ州選出)の名前が挙がっている。 POLITICO “Bingaman’s exit raises energy questions” (2/20/11)
NIH、研究者の個人的状況がキャリアにもたらす影響に配慮
国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)は、5月25日以降に提出されるグラント申請書において、研究活動を行わなかった期間が存在する場合、その理由として、「家族の介護や病気、障害、兵役活動など、科学者としての業績や生産性に影響を及ぼしたと思われる要素」を記述する選択肢を提供することとなった。これは、科学者が家族や個人的状況と研究活動のバランスを取れるよう、グラント申請で不利にならないよう配慮したものである。この変更は、特に家族作りのためにキャリアを一時停止する女性研究者に有益となると考えられている。 The Great Beyond “NIH Wants to know about your lags in productivity” (2/18/11)
SBA、「スタートアップ・アメリカ アントレプレナーメンター制度」を開始
中小企業庁(Small Business Administration:SBA)は2月16日、大統領府による「スタートアップ・アメリカ(Startup America)」イニシアチブの一環として、既に成功している企業経営者を現在のアントレプレナーの指導者としてマッチングさせる「アントレプレナーメンター制度(Entrepreneurial Mentor Corps: EMC)」を開始した。EMCプログラムはユーイング・マリオン・カウフマン財団(Ewing Marion Kauffman Foundation)と協力して行われ、今回はそのパイロット・プログラムとしてクリーンエネルギー分野でのEMCが実施される。これに際し、同プログラムや技術支援、ネットワーキングなど様々なサービスを提供する機関として全米4地域で「アクセラレーター(Accelerator)」も発足され、対象となるアントレプレナー100人が選出される。今回のパイロットプログラムでは参加対象は、エネルギー省(Department of Energy)やエネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy:ARPA-E)のグラントを受益しているアントレプレナーやスタートアップに限定される。 SBA “SBA Launches Startup America Entrepreneurial Mentor Corps” (2/16/11)
オバマ大統領による2011年度歳出法案に対する拒否権発動の可能性浮上
オバマ大統領は2月15日、下院共和党が本年度の予算から約1,000億ドルを削減しようと試みていることに関して、もしこの内容で歳出法案が議会を通過した場合、拒否権を発動する可能性があると発言した。さらに大統領府行政管理予算局(Office of Management and Budget:OMB)も、「政策声明(Statement of Policy)」を発表し、「オバマ大統領は成長や防衛を危機にさらすいかなる予算案にも署名しない」ことを発表している。ただし上院が下院案を阻止することが確実なため、オバマ大統領が実際に拒否権を発動する可能性は非常に低いと見られる。 POLITICO “OMB makes Obama veto threat official” (2/15/11)
NSFの2012年度予算は13%増で新しい科学・教育プログラムを含む
国立科学財団(National Science Foundation:NSF)は2012年度予算案として13%増の77億7,000万ドルを要請している。この予算大幅増加は「イノベーションや教育で他国を上回る」という一般教書演説での約束に則ったものであるが、この数値が実現される可能性は非常に低いと見られている。研究支援予算は12%増の62億3,000万ドルとなる。複数のイニシアチブで学際的研究に重点が置かれており、これはスブラ・スレシュNSF長官(Subra Suresh)が支持するアプローチである。活動内容が最も変化するのは教育部門で、STEM分野の大学院生が研究や活動をK-12教育に応用することを支援する「K-12教育における大学院生STEMフェロー・プログラム(Graduate STEM Fellows in K-12 Education Program)」の廃止や学習能力向上に関する研究支援を行う「学習科学センター(Science of Learning Centers)」が段階的に廃止される一方、2,000万ドルを投じて未来の教師育成や現行教師の教育を行うプログラム(「未来のための教師学習(Teacher Learning for the Future)」)などの開始が予定されている。 ScienceInsider “NSF Budget Would Grow by 13%, Adding Science and Education Programs” (2/14/11)
研究者、グラント申請の再提出を制限するNIH規則を撤回するよう要請へ
国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)が2009年に、研究者が一度却下されたグラント申請を再提出できる回数を従来の2回から1回へ制限する新規則を発表したことを受け、この新規則を撤回するよう求める請願書の草案が科学コミュニティの中で話題になっている。再提出回数に達した案件は、「内容や領域において大幅な違いがなければ新規研究申請として審査を受けることはできない」とされており、NIHは、再提出回数の制限は研究者一人あたりの提出件数を削減することと、有望な申請者へのグラント提供を遅らせないようにすることを意図したものであると説明している。新規則の撤回を求める研究者らは、「同じ分野でグラント提供される案件は10%以下である」「新規則は若手研究者に不当な負担を課す」と主張している一方で、科学者全てが請願書の内容を支持しているわけではないという。 ScienceInsider “Frustrated Researchers to Petition NIH to Change Rule on Resubmitting Grants” (2/15/11)
NSFの「科学資料統計部」が「全米科学・工学統計センター」に改称
国立科学財団(National Science Foundation:NSF)の科学資料統計部(Division of Science Resources Statistics)は、米国競争法(America COMPETES Act)の再承認法成立を受けて、このたび「全米科学・工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics: NCSES)に改称された。NCSESは連邦政府の中核的クリアリングハウスとして、科学、工学、技術、研究開発に関する客観的データの収集、解釈、分析、普及を行う。再承認法では、NCSESはNCSESのデータを使う研究の支援やNCSESに関連する分野での手法の支援、大規模なデータセットを利用する研究者の教育および訓練なども行うことが明記されている。 NSF “NSF’s Division of Science Resources Statistics Is Now the National Center for Science and Engineering Statistics” (2/15/11)
商務省の2012年度予算案概要
2012年度予算教書における商務省(DOC)の予算案は、2億4,200万ドルの支出削減が行われた一方、米国を創造やイノベーションで経済競争国よりも優れた国とするために重要な投資が盛り込まれている。主な削減には、①経済開発庁(Economic Development Administration:EDA)の企業向け貿易調整支援(Trade Adjustment Assistance for Firms)プログラムの廃止(1,580万ドル)、②EDAの21世紀イノベーション・インフラストラクチャー(21st Century Innovation Infrastructure)プログラムの廃止(3,730万ドル)、③国際貿易局(International Trade Administration:ITA)の再編(2,000万ドル)となっている。一方、主な投資分野としては、①米国企業の輸出を支援する米国輸出イニシアチブ(National Export Initiative)(7,850万ドル)、②貿易関連の経済的影響などへの対応を支援するEDAの経済調整支援(Economic Adjustment Assistance)プログラム(4,630万ドル)、③地域の経済開発や雇用創出を支援するEDAの地域イノベーションプログラム(Regional Innovation Program)(4,000万ドル)などが挙げられる。 COMMERCE.GOV “Commerce Department’s Proposed 2012 Budget” (2/14/11)
2012年度予算案における研究開発予算
2012年度大統領予算案では、連邦支出の多くの部門で前年度維持・削減が断行される一方で、研究開発・教育分野では投資の増加に取り組む大統領府の意向が示される結果となった。研究分野別の概要は下記の通り。 ●基礎研究:国立科学財団(NSF)の研究開発予算は約16%増で、その資金の多くをクリーンエネルギー・イニシアチブやサイバーインフラ、医療用ロボット工学などといった分野での学際的な研究および訓練に充当。 ●地球および気候に関する研究:商務省(DOC)の国立海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration:NOAA)に約55億ドルを要請(2010年度の充当予算は48億6,000万ドル)。その多くは天候予測に重要な人工衛星開発に向けられる。 ●宇宙・惑星研究:航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration:NASA)の研究開発予算は2.2%減少の98億ドル。 ●エネルギー科学:DOEの再生可能技術が好まれ、化石燃料がその犠牲となっている。DOEの科学局(Office of Science)の予算は2年連続の増加となる54億ドルに上昇し、再生可能エネルギーの研究開発プログラム内は水素技術のみが減少した。この他、エネルギー高等研究局(ARPA-E)予算として5億5,000万ドルが要請され、エネルギー・イノベーション・ハブの件数が2倍の6件となった。そしてこれらのコスト相殺努力として、化石燃料部門が大幅削減された。 ●バイオ医療研究:厚生省(Department of Health and Human Services)の研究予算として323億ドル(現会計年度に比べ微減)を要請。このほとんどが国立衛生研究所(NIH)向けである。NIHではゲノミクスやバイオ技術に重点を置いた研究が続けられる。NIHは、国立トランスレーショナル科学進展センター(National Center for Advancing Translational Sciences)の新設も提案されている。 ●技術・環境研究:米国標準技術局(NIST)の予算が7.2%増となる10億ドル以上となった一方、環境保護庁(EPA)の研究予算は減少。 US News and World Report “2012 Budget Offers pain and Gain for R&D” (2/15/11)
2012年度予算案、電気自動車技術予算増の一方で、水素技術予算は削減
2012年度大統領予算案には、2015年までに先端技術自動車を100万台走行させるという目標を支援するべく、電気自動車製造や電気自動車の普及を支援する新たな取り組みが含まれている。具体的には、①現行の電気自動車購入者に対する7,500ドルの減税をリベートに変更、②エネルギー省(Department of Energy:DOE)における自動車技術開発に5億8,800万ドルを投資(現行の88%増)、③電気自動車インフラ整備に投資するコミュニティへの報酬プログラム(2億ドル)、などが盛り込まれている。その一方で、DOEのエネルギー効率・再生可能エネルギー局(Office of Energy Efficiency and Renewable Energy:EERE)の水素技術プログラムは約7,000万ドル(40%以上)の削減となっている。DOE全体では295億ドルの予算(2010年度予算比で12%増)となっており、一部のクリーンエネルギー・プログラムや原子力安全保障、研究開発などが増加した一方、化石エネルギー・プログラムが大幅削減されるという結果となった。 Green Car Congress “Obama FY 2012 budget proposes big boost for EVs and EV technology, cuts for hydrogen” (2/14/11)