ロボットやその他のコンピュータ支援型技術が、従来人間が行ってきた作業を行うようになり、「ロボットの出現によって、いずれ人間の雇用と賃金に影響が出るのではないか」との懸念が増大している。こうした中、非営利研究機関の米国経済研究局(National Bureau of Economic Research: NBER)から、「ロボットと雇用:米国労働市場における兆候(Robots and Jobs: Evidence from US Labor Markets)」と題する論文が発表された。ここでは、1990年から2007年の間に産業ロボットの利用の増大が米国の地域の労働市場にもたらした影響について分析されており、それによれば、ロボットが地域の雇用と賃金にもたらす影響は概ね控えめとなっている。具体的に、千人の労働者につきロボットが1台増えることで、人口に対する雇用の割合は0.18~0.34ポイント、賃金は0.25~0.5%、それぞれ減少するという試算結果となっている。
National Bureau of Economic Research “Taking Animal Magnetism to the Extreme” (March 2017)