サイエンス誌(Science)は6月4日、下院歳出委員会が、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の2027年度基本歳出を前年度から1億ドル増額した473億ドルとする歳出法案を発表したと報じた。大統領側は10月1日から始まるNIHの新年度予算の12%削減や一部研究所の廃止を提案していたが、これを退ける形となった。一方で、疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)の予算は11%減の81億ドルに削減した。この下院案によりNIHは弱体化を免れたものの、生物医学界には新たな懸念も生まれた。具体的には、病原体を強化する「機能獲得(Gain-of-Function: GOF)研究」やイヌ・ネコを用いた苦痛を伴う生物医学研究の禁止、さらに一部の私立研究機関に対する間接経費を30%に制限するといった条項が含まれており、広範な研究活動への影響に加え、生物学的安全性やバイオセキュリティへの懸念が指摘されている。記事は、下院歳出委員会全体での審議を経て、今後数か月かけて上院案との調整が進められる見通しと伝えている。
Science “House spending panel proposes slight raise for NIH in 2027” (06/04/26)
https://www.science.org/content/article/house-spending-panel-proposes-slight-raise-nih-2027