エネルギー省(Department of Energy)科学局(Office of Science)などによる高エネルギー物理学プログラムに助言を行う高エネルギー物理学諮問委員会(High Energy Physics Advisory Panel: HEPAP)は12月8日、下部委員会である「素粒子物理学プロジェクト優先付け委員会(Particle Physics Project Prioritization Panel: P5)」による新たな報告書を発表した。「素粒子物理学におけるイノベーションと発見への経路(Pathways to Innovation and Discovery in Particle Physics)」と題する報告書(2023年)で、米国の資金提供機関への勧告につながる素粒子物理学分野の主要な活動について記述している。今回の報告書は、米国物理学協会(American Physical Society)が、世界中の素粒子物理学者と宇宙学者を招集して研究優先事項の概要作成に取り組んだ「2021年スノーマス計画演習(2021 Snowmass planning exercise)」を基盤としている。2023年P5報告には、研究プログラムや米国の技術労働力、基礎物理学や宇宙の起源に関連する変革的な次世代発見を実現するために必要な技術とインフラへの連邦投資について、予算を意識した幅広い勧告を提示している。一例として、報告書は、大型ハドロン衝突型加速器(Large Hadron Collider: LHC)(拠点は欧州)、素粒子観測装置のDUNE(Deep Underground Neutrino Experiment)(同イリノイ州のフェルミ国立加速研究所(Fermi National Accelerator Laboratory))などへの継続支援を勧告している。エネルギー省傘下のブルックヘイブン国立研究所(Brookhaven National Laboratory)はP5報告で紹介されている多くのプロジェクトに貢献している。