「憂慮する科学者同盟(Union of Concerned Scientists: UCS)」が発表した新たな分析報告「連邦STEM労働力の強化と多様化(Strengthening and Diversifying the Federal STEM Workforce)」によれば、バイデン政権発足後、主要な連邦機関で科学的なポジションにある職員の数は、トランプ前大統領が就任する前の水準に完全に戻ったものの、一部の事例では労働力の多様化という点では進んでいない。報告によれば、2016-2020年の間、連邦政府の科学当局では、科学・技術・工学・数学分野のポジションの職員の大量流出が見られた。その後、バイデン政権になって実施された採用イニシアチブで空席の補充が行われ、疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)や環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)、食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)などの当局の職員数は全て2016年時点を上回った。ただし、一部の科学当局では、労働力の水準が低下してから回復するまでに丸5年を要している。バイデン大統領は就任後、報復などから科学者を保護する措置の見直しを開始し、作業部会を発足させるなどしているが、一部からは「科学者を保護する取り組みは不十分である」との意見もある。また、科学当局は労働力の多様化を図ろうとしているが、こうした取り組みは政権の交代によって政治的な攻撃対象となることがしばしばある。