ブルッキングス研究所(Brookings Institution)は8月3日、最先端人工知能(AI)データセンターの海外建設による国家安全保障上のリスクについての調査結果を発表した。3月に中東のアマゾン・ウェブ・サービス社(Amazon Web Services: AWS)3施設がイランの攻撃を受け、甚大な被害を受けた例を挙げ、海外インフラが地政学的な標的になっているという。また、データセンターの秘匿にはコストがかかるほか、施設の継続的な保全など物理的にも脆弱性が露呈しつつある。こうした中、報告書は政府が進める中東でのAI基盤整備計画に対し、通常の商業的な立地決定では捉えきれない安保上のリスクがあるとし、不正アクセスなどによる知的財産や開発技術の損失や、高額なインフラ投資を背景とした現地での建設推進は、有事における施設差し押さえにつながるなどのリスクを指摘している。国内での電力確保や許認可手続きの遅れから海外移転が進む中、同研究所は経済競争力と安保上のバランスを考慮した包括的な枠組みの確立を提言した。
The Brookings Institution “The national security implications of building frontier AI data centers overseas” (08/03/26)