人工知能(AI)の危険な悪用から米国民を保護する野心的な米政府の計画は、不明瞭で人材不足が深刻な連邦機関に委ねられている。それは、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)である。商務省(Department of Commerce)傘下のNISTのスタッフは3,600人。バイデン大統領が最近通達したAIに関する大統領令の安全及びセキュリティ議題の基軸となる機関である。大統領令は、NISTに対して、セキュアで信頼できるAI開発のためのガイドラインの作成や、AIの悪用につながる可能性がある欠点を特定するためのAIモデルの試験、AIによって分析されたデータのプライバシーを保護するための技術評価といったタスクを指令している。NISTが作成する勧告は今後長きにわたって政府がAIを監督する有り方を設定することから、NISTの役割は重大である。NISTはこれまでにも大きな任務を遂行しているが、今回のようなAI責務は、既に人材不足・予算不足の厳しい状況にあるNISTの資源を更に圧迫する恐れがある。