中国国営企業による米国石油・ガス企業への投資は増大しつつあり、その額は2010年以来170億ドルを超えた。その中心となっているのは、中国の傅成玉氏(Fu Chengyu)である。同氏は2005年、中国海洋石油公司(China National Offshore Oil Corp.: Cnooc)の会長(当時)として、米国のユノカル社(Unocal Corp.)を買収しようとして米国内で大きな政治的議論を招き、最終的に失敗に終わった経験を持つ。しかしその後、米国進出への戦略を変更し、Cnooc社は2010年に米チェサピーク・エネルギー社(Chesapeake Energy Corp.)との間で、テキサス州南部にあるイーグル・フォード・シェール(Eagle Ford Shale)層(60万エーカー)の3分の1の権利に10億8,000万ドルを支払うことに合意したことをきっかけに、同様の契約を次々と交わしている。傅成玉氏の新戦略の秘訣は、「少数の権利を購入すること、受動的な役割を果たすこと、そして米国規制当局への配慮として中国人を米国の先端技術から遠ざけること」である。またこうした米中間の取引は、石油・ガスを抽出する革新的技術を開発する能力はあるが、それを実現する資本を必要とする米国企業と、石油・ガスの供給源を世界的に模索する中国国営企業という、相互のニーズに対応するものでもある。
Wall Street Journal “China Foothold in U.S. Energy” (3/6/12)