オバマ大統領、気候行動計画を発表

大統領府は6月25日、「我々には次世代の子供たちに汚染されていない地球を残す倫理的義務がある。気候変動は21世紀の主要な課題の一つであり、我々はイノベーション国として経済や環境、公共衛生を進展させつつ、この課題に対処していく必要がある」として、気候行動計画の概要を発表した。概要は3つに分かれており、それらは、①国内における炭素排出の削減(環境保護庁(Environmental Protection Agency:EPA)が、州・業界・その他の関係機関とともに既存・新規の発電所向けの炭素排出基準を設定する、など)、②気候変動による影響への備え(地域における気候変動対応への取り組みの支援、など)、③国際的な地球気候変動対策の主導的役割への取組み(新規/既存の国際イニシアチブの拡大へのコミット、など)となっている。 White House “Fact Sheet: President Obama’s Climate Action Plan” (6/25/13)

上院歳出委員会、米国によるITERへの拠出を認めず

上院予算委員会(Committee on Appropriations)のエネルギー・水開発小委員会(Subcommittee on Energy and Water Development)が6月25日に明らかにしたエネルギー省(Department of Energy)歳出法案によれば、国際融合プロジェクトITERへの拠出はゼロとなっている。エネルギー省の2014年度予算要請にはITER拠出合計に関する詳細が盛り込まれておらず、「エネルギー省は年間2億2,500万ドルの予算を維持する」としたのみであったことから、議員らの怒りを買った。小委員会のダイアン・ファインスタイン委員長(Dianne Feinstein、カリフォルニア州選出民主党)は、「エネルギー省が小委員会に対してITER予算の基本コストやスケジュール、規模などの情報を提供しない限り、我々はITERへの予算を提供しない」と述べた。一方、その他については、エネルギー省の基礎研究やエネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy:ARPA-E)への予算はほぼ政権の要請通りとなっている。 Science Insider “Senate Spending Panel Votes to Stop U.S. Contributions to ITER” (6/25/13)

「臨床・トランスレーショナル科学アワード(CTSA)プログラムはNIHによる厳格なガイダンスが必要」との報告

米国アカデミー(National Academies)の医学研究所(Institute of Medicine: IOM)が6月25日に発表した報告書によれば、基礎研究を臨床治療へと移行させることを目的としたプログラム、「臨床・トランスレーショナル科学アワード(Clinical and Translational Science Awards:CTSA)」を管理する上で、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)による強いリーダーシップが必要であるという。CTSAプログラムを通じて全国で61件のセンターに資金提供が行われているが、IOMの報告書によればこれらのセンターには成功度などを測る明確に定義された測定基準が欠けており、それゆえ一部のCTSAは多様な努力をし過ぎて凡庸の成果に終わってしまい、独自の専門性を活かしきれずにいるケースがあるという。報告書は、こうした問題の改善策として、CTSAを管理する国立トランスレーショナル科学進展センター(National Center for Advancing Translational Sciences: NCATS)がNCATS-CTSA運営委員会を設立して、成功の度合いを測定する基準を設定したり、「イノベーション基金(Innovations Fund)」の立ち上げ・管理を行うことなどを勧告している。 Science Insider “Translational Centers Need More Guidance From NIH, Says Report” (6/25/13)

上院、ペニー・プリツカー氏を商務長官として承認

上院は6月25日、ペニー・プリツカー氏(Penny Pritzker)を商務長官(Secretary of Commerce)として承認した。当初、この指名は議会からの抵抗を受けると憶測されたが、97対1の票決で承認された。プリツカー氏はハイアット・ホテル(Hyatt hotel)の創業一族出身であり、2008年の大統領選挙ではオバマ陣営の資金収集を担当し、2012年の選挙でも支援活動を行った。同氏は、「海外の租税回避地から利益を得ている」「2008年の金融破たんにつながった金融商品に投資をしていた」などと批判を受けていたが、共和党議員は総じて同氏の資産やビジネス経歴を批判しなかった。 Politico “Penny Pritzker confirmed as Commerce secretary” (6/25/13)

再生可能燃料業界団体、E15に関する最高裁決定を賞賛

連邦最高裁がエタノール混合ガソリンに関する訴訟の審理を拒否したことを受け、再生可能燃料を支持する業界団体、再生可能燃料協会(Renewable Fuels Association)はこれを賞賛した。本件は、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)がエタノールを15%混合したガソリン「E15」の販売を許可した件を巡り、自動車製造事業者同盟(Alliance of Automobile Manufacturers)や米国燃料・石油化学製造事業者団体(American Fuel and Petrochemicals Manufacturers)、食料品製造事業者協会(Grocery Manufacturers Association)が、「EPAはE15の販売に関して十分な試験を行っていない」として提訴していたものである。下級裁判所は8月に、「原告側はE15に関する連邦の判断に異議申し立てを行う当事者適格がない」としていた。 UPI “E15 decision praised by green advocates” (6/25/13)

エネルギー省は国立研究所の管理を見直す必要があるとの報告

保守派のヘリテージ財団(Heritage Foundation)、リベラル派のセンター・フォー・アメリカン・プログレス(Center for American Progress)、中道派のITイノベーション財団(Information Technology and Innovation Foundation: ITIF)という超党派グループが発表した報告書によれば、エネルギー省(Department of Energy)は傘下にある17の国立研究所の運営方法を改善する必要があるという。マイクロマネージメントを縮小し、業界との結びつきをより強化する必要があると提案している。報告書は改善策の例として、13の非兵器系研究所を監督する科学技術担当次官を一人とすること(現在は二人)や、連邦政府から委託を受けて国立研究所を運営している契約企業の評価方法を見直すことなどが挙げられている。 Science Insider “Remake Management of DOE Labs, Report Argues” (6/21/13)

「マテリアル・ゲノム・イニシアチブ」における産学官によるコミットメント発表

オバマ政権は、学術機関、産業パートナーと共に6月24日、新マテリアルの開発期間を半分に削減することを狙いとした官民の取り組み「マテリアル・ゲノム・イニシアチブ(Materials Genome Initiative)」を支援するため、一連のコミットメントを発表した。一例として、①商務省(Department of Commerce)傘下の米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)が新たに「先端マテリアルに関するセンター・オブ・エクセレンス(Center of Excellence on Advanced Materials)」を創設、②各地の大学がマテリアル・イノベーションを加速させるネットワークを構築、③ハーバード大学(Harvard University)とIBM社が太陽電池に利用できる可能性がある230万件の新マテリアルに関するデータを無償公開、などが発表された。 White House “”Materials Genome Initiative” Commitments Announced” (6/24/13)

ピュー・リサーチ・センター、世界的な脅威に関する報告書を発表

ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)の「世界的な姿勢プロジェクト(Global Attitudes Project)」が世界39カ国で行った「自国に対する世界的な脅威」に関する調査の結果を発表した。それによれば、多くの国で「地球温暖化」と「国際的な金融不安」が、「主要な脅威」として挙げられている(ただし米国は「地球温暖化は主要な脅威である」とした割合が最も低い国々の一つとなっている)。また、イスラム過激派も深刻な懸念である(特に米国、欧州、サハラ以南のアフリカ)。米国における最大の脅威は「北朝鮮による核兵器プログラム」(59%が主要な脅威として指摘)で、これは韓国や日本でも同様に高い。一方、米国や中国のパワーや影響力を主要な脅威と考えている国は比較的少ない。 Pew Research Center “Climate Change and Financial Instability Seen as Top Global Threats” (6/24/13)

「工学に対する一般の理解は改善されたが更なる取り組みが必要」との報告

米国工学アカデミー(National Academy of Engineering: NAE)が発表した報告書「工学のメッセージ:研究から行動へ(Messaging for Engineering: From Research to Action)」によれば、一般市民の工学に関する理解を深めるために工学コミュニティが行っている取り組みは成果を上げているものの、工学のイメージを改善するには更に多くのなすべき事があるという。報告書は、工学コミュニティがNAEが2008年に発表した報告書「会話を変える:工学に関する一般の理解を改善するためのメッセージ(Changing the Conversation: Messages for Improving the Public Understanding of Engineering:通称「CTC報告」)」で紹介した研究ベースのメッセージを通じて行っている取り組みを詳述する一方、CTC報告の効果は工学コミュニティの行動を活性化するには不十分であるとして、更に具体的なメッセージングの勧告を行っている。 National Academies “Public Understanding of Engineering Is Improving, But Additional Work Needed, Report Says” (6/21/13)

科学工学分野のパートタイム大学院入学者増加率、フルタイムの増加率を上回る

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)が6月20日に発表した報告によれば、2010年から2011年の間に、パートタイムの科学工学(S&E)大学院入学者数は1.6%増加したのに対し、フルタイムのS&E大学院入学者数の増加率は0.5%であったという。パートタイムのS&E大学院入学者数の増加率がフルタイムのそれを上回ったのは2005年以来初めてであるという。 National Science Foundation “Latest Data Show Part-Time Graduate Enrollment in Science and Engineering Growing at a Higher Rate Than That of Full-Time Enrollment” (6/20/13)