米国のナノテクノロジー規制監督における溝

新技術の持続可能で安全かつ責任のある商業化を確実にする上で、ライフサイクル評価は重要なツールであり、ナノテクノロジー分野においても、潜在的なナノ製品のライフサイクル評価は、研究初期段階で意思決定の主要要素となるべきであるといわれている。こうした中、資源・環境・持続可能性研究所(Institute for Resources, Environment and Sustainability: IRES)は、「ナノスケールのゆりかごから墓場まで:ナノマテリアルのライフサイクルに関する米国規制監督の溝(From Cradle-to-Grave at the Nanoscale: Gaps in U.S. Regulatory Oversight along the Nanomaterial Life Cycle)」と題する報告書を発表した。報告書は、現在の規制枠組みが新規ナノマテリアルのライフサイクルにおける各段階で正式なリスク評価を行うよう意図されているか、そして規制当局は潜在的なリスクの管理のための適切なツールやリソース、権限を有しているかの分析を試みている。 Nanowerk “Gaps in U.S. nanotechnology regulatory oversight” (8/13/12)

イーロン・マスク氏、未来の「ハイパーループ」輸送の概要を発表

電気自動車メーカー、テスラ・モーターズ社(Tesla Motors Inc.)の最高経営者(CEO)であるイーロン・マスク氏(Elon Musk)は8月12日、未来的構想である「ハイパーループ(Hyperloop)」輸送システムのビジョンを公開した。ハイパーループは、衝突を回避するカプセル型で、太陽エネルギーによって走行する輸送ネットワークである。このハイパーループによって、サンフランシスコ-ロサンジェルス間を30分で移動できるという(同間は通常、飛行機で1時間15分、車で約5時間半かかる)。成功した場合は都市間輸送に革命をもたらすものとなるが、この構想には安全性や資金面に関する克服すべき問題が数多く残っている。 Reuters “California billionaire unveils futuristic ‘Hyperloop’ transport” (8/13/13)

オバマ大統領、水力発電開発を促進する超党派法案に署名

オバマ大統領は8月9日、「2013年水力発電規制効率法(Hydropower Regulatory Efficiency Act of 2013)」に署名し、これを法制化した。同法は、下院エネルギー・商務委員会(Energy and Commerce Committee)のキャシー・マックモリス・ロジャース議員(Cathy McMorris Rodgers。ワシントン州選出共和党)と、ダイアナ・デゲッテ議員(Diana DeGette。コロラド州選出共和党)が作成した超党派法案で、煩雑な規制手続きを削減することで新たな水力発電プロジェクトの開発を促進する一助となるものである。下院エネルギー・商務委員会は、「水力発電を含む再生可能エネルギー資源は、下院共和党による包括的エネルギー戦略の重要な要素である」と述べている。 Energy & Commerce Committeeg “President Signs Bipartisan Bill into Law to Boost Hydropower Development, Help Create Jobs” (8/12/12)

全国知事会(NGA)の新会長、今後1年間のイニシアチブを発表

全国知事会(National Governors Association: NGA)の夏季会合の最終日である8月4日、NGAの新会長にオクラホマ州のメアリー・フォーリン知事(Mary Fallin)が就任した。副会長にはコロラド州のジョン・ヒッケンルーパー知事(John Hickenlooper)が指名された。フォーリン知事は同時に、会長としてのイニシアチブ「米国の取り組み:明日の仕事のための教育と訓練(America Works: Education and Training for Tomorrow’s Jobs)」を発表した。同イニシアチブは、教育及び労働力訓練システムの強化とこれらのシステムを各州経済の必要性と整合させることに重点を置いた内容となっている。 National Governors Association “New NGA Chair Announces Yearlong Initiative” (8/4/13)

オバマ大統領、元宇宙飛行士を国立海洋大気庁(NOAA)の次期長官に指名

オバマ大統領は8月1日、国立海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration:NOAA)の次期長官として、現在NOAAの長官代理を務めるキャサリン・サリバン氏(Kathryn Sullivan)を指名した。サリバン氏は2月にジェーン・ルブチェンコ前長官(Jane Lubchenco)が辞任して以来、長官代理を務めている。サリバン氏の長官指名に対する関係者の反応は好意的で、議会での承認は確実視されている。サリバン氏は2011年以来、商務省(Department of Commerce)の次官補としてNOAAの一連の地球観測機器や天候予測プログラムの監督を行っている。同氏は、1978年に米国航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)が宇宙飛行訓練のために初めて選出した6名の女性の一人であり、3度のシャトル・ミッションを行っている。 Science Insider “Former Astronaut Picked to Lead NOAA” (8/2/13)

モニツ・エネルギー長官、新たなバイオ燃料プロジェクトを発表

エネルギー省(Department of Energy)のアーネスト・モニツ長官(Ernest Moniz)は8月1日、エネルギー省主催による2013年バイオマス年次会議で演説を行い、米国のエネルギー安全保障を強化し、輸送部門における温室効果ガスの排出を削減するために、オバマ政権の気候行動計画(Climate Action Plan)でバイオ燃料が果たす重要な役割を強調した。そしてモニツ長官は、持続可能で手頃な価格の藻由来のバイオ燃料の開発における技術的障害を克服し、その開発を促進することを狙いとして、4件のプロジェクト(カリフォルニア、ハワイ、ニューメキシコの各州におけるプロジェクト)に合計約1,650万ドルを助成すること、そして先端バイオ燃料向けバイオマス原料のサプライチェーン合理化を目的とした1件のプロジェクト(オハイオ州)に約600万ドルを提供することを発表した。 Department of Energy “Secretary Moniz Announces New Biofuels Projects to Drive Cost Reductions, Technological Breakthroughs” (8/1/13)

北米の大学・研究組織、2012年の発明収入は26億ドル

大学技術管理者協会(Association of University Technology Managers: AUTM)は、大学やその他の研究組織の特許及びライセンシング活動に関する年間報告の最新版(2012年度)を発表し、そのハイライトをウェブサイト上に掲載した。それによれば、米国およびカナダの大学や研究組織(合計194機関)が2012年度にロイヤルティやその他のツールから得た収入は26億ドルを超えたという。また、これら194機関は2012年度に1万4,224件の新規米国特許を申請し、705件のベンチャー企業を設立している。 The Chronicle “Universities and Other Groups Earned $2.6-Billion From Inventions in 2012” (8/6/13)

エネルギー省、米国風力エネルギー生産及び製造に関する報告書を発表

エネルギー省(Department of Energy)は8月6日、米国風力エネルギー市場の記録的な成長をまとめた二つの報告書を発表した。一つは、ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)と共に発表した「2012年風力技術市場報告(2012 Wind Technologies Market Report)」で、米国風力発電市場の最新トレンドを詳述したものである。もう一つは、パシフィック・ノースウェスト国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory)と共にまとめた「2012年分散型機能における風力技術の市場報告(2012 Market Report on Wind Technologies in Distributed Applications)」で、こちらは米国の分散型風力エネルギー市場の力強い成長を示した内容となっている。これらの報告書によれば、風力発電は2012年における新規発電能力の1位(同年における全新規発電の43%と250億ドルの投資を占めた)となった。 Department of Energy “Energy Dept. Reports: U.S. Wind Energy Production and Manufacturing Reaches Record Highs” (8/6/13)

ムーア財団、物理研究に9,000万ドル拠出を計画

インテル社(Intel)の共同設立者が設立したゴードン・アンド・ベティー・ムーア財団(Gordon and Betty Moore Foundation)は7月30日、凝縮系物理学の基礎研究を支援するため、今後5年間で9,000万ドルを拠出する計画であると発表した。同財団はこの動きの要因として、横ばいとなっている基礎研究への連邦助成を補填する必要性と、ナノテクノロジーによってもたらされた新たな機会を挙げている。マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)の凝縮系物理学者でムーア財団の科学アドバイザーを務めるマーク・カストナー氏(Marc Kastner)は、「数年ごとに複雑な電子マテリアルから魅力的な現象が発生しており、その一部は価値のある技術となっている。しかしそれらは非常に長い基礎研究から生まれたものであり、業界や政府機関がそれを適切に支援することは難しくなりつつある。こうした中、財団がその支援を行えることは素晴らしいことである」と述べている。 Science Insider “Foundation Pledges $90 Million for Physics Research” (7/31/13)

エネルギー長官、国立エネルギー技術研究所での新スパコン除幕式に参加

エネルギー省(Department of Energy)のアーネスト・モニツ長官(Earnest Moniz)は7月29日、国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)で、新型スパコンの除幕式に参列した。このスパコンはエネルギー及び環境向けの高性能コンピュータで、世界におけるトップ100のスパコンの一つであるだけでなく、エネルギー効率が最も高いスパコンの一つである。このスパコンは503テラフロップス(TFlops)の性能を持ち、研究者は先端のエネルギー及び環境技術開発向けに複雑なモデル・シミュレーションなどを行うことが可能となる。 Department of Energy “Secretary Moniz Dedicates New Supercomputer at the National Energy Technology Laboratory” (7/29/13)